2021 Fiscal Year Research-status Report
新規グアニン酸化損傷は突然変異源として、8オキソグアニンと同じ重要性を有するか?
Project/Area Number |
17K00558
|
Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
喜納 克仁 徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (70360534)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | グアニン酸化損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
酸化条件において、G→T点突然変異やG→C点突然変異が観測されているが、グアニン酸化損傷である8オキソグアニンではG→C点突然変異を説明できない。申請者はオキサゾロンがG→C点突然変異を説明できるグアニン酸化損傷であると報告したが、オキサゾロンは徐々に分解することが最近明らかとなった。そこで本研究では、申請者が発見した新規グアニン酸化損傷Xについて、構造決定および突然変異能、修復反応を調べる。本研究により、Xが8オキソグアニンに匹敵する突然変異源になり得るかの可能性を探ることを目的とする。 平成29年度の大腸菌由来のポリメラーゼに加えて、平成30年度においては、Oz分解生成物Xを含む30merDNAの追合成とDNAポリメラーゼαやβ、δ、ε、ζ、ηについても実施した(一部学会未発表)。令和元年度は、RI施設廃止に伴い、蛍光色素ラベルした基質でも修復酵素の活性を解析できるか否かについて再検討することとなった。そこで、Alexa680をラベルした8oxoG入りオリゴマーを受託合成依頼し、これを用いて大腸菌由来の塩基除去修復酵素について活性測定を解析したところ、切断活性が実験ごとに異なるという大変困った現象がおきた。原因を追求していくと、どうやら反応停止剤が機能せず、色素ラベルでの解析についてはより検討を要することとなった。令和元年度は、ピペリジン処理や熱による不安定性についても解析した結果、非常に安定であることが判明した。令和2年度は、令和元年度に苦労した腸菌由来の塩基除去修復酵素について活性測定について、なんとか達成した。令和3年度は、これらの結果を元に論文を作成中であり、その際に判明した不足しているデーターを追加で取得しているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスによる影響で、機器の修理の派遣や部品調達が遅れた関係で、進捗は遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
一連の結果について、論文としてまとめて発表する。一つにまとめるか2つに主題を分けて出すか、追加実験による結果を元に、今後シビアに検討する。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルスによる影響で、機器の修理の派遣や部品調達が遅れた関係で、進捗は遅れている。また、大学から支給される研究費でまかなったことにより、科研費から支出しなくてよくなったことが理由である。加えて、令和2年度実施予定だった国際学会が令和3年度に延期されたが、その学会がオンラインになったことにより、当初計画していた旅費の支出がなくなった。追加実験や論文出版などで、それなりに支出する予定ではある。
|