2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K00562
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
臺野 和広 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 放射線影響研究部, 研究統括(定常) (90543299)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 放射線 / 乳がん / 遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳腺は、放射線発がんリスクの最も高い組織の一つである。一方、その発がんメカニズムに関する知見は未だ乏しい。本研究では、申請者らがこれまでの研究で保存してきたラット乳がん検体について、次世代シークエンス技術を用いた高速かつ網羅的な遺伝子変異解析を行い、自然発症、化学発がん物質、線質の異なる放射線被ばくによって生じた乳がんにおける変異遺伝子を同定し、変異遺伝子の種類や変異頻度、変異パターンを比較解析することで、放射線発がんリスクを説明する分子メカニズムの解明と、変異シグネチャーの探索を行う。得られる結果は、放射線による発がんリスク評価の信頼性向上と、発がんの予防法開発に活用できる。 今年度は、前年度に作製したラット乳がん変異候補遺伝子の次世代シークエンス用遺伝子検査パネルを用いて、ラット乳がんにおける遺伝子変異の検出を行った。また、次世代シークエンスにより取得したデータから、遺伝子変異や変異パターンを検出するための解析系の構築を行った。自然発症、ガンマ線および、中性子線被ばくにより生じたラット乳がんで検出された遺伝子変異について、乳がんの原因となる候補遺伝子の抽出や変異パターンの解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作製した次世代シークエンス用のラット乳がん変異候補遺伝子の検査パネルを用いて変異解析が出来ることを確認するとともに、申請者らが保存しているラット乳がんin vivo検体より抽出したゲノムDNAから全エクソン領域の回収を行い、次世代シークエンスによる遺伝子変異解析を開始できていることから、次年度に行う研究に向け順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、自然発症、ガンマ線、炭素線、中性子線被ばく、化学発がん物質(MNU)暴露によって生じた各乳がんにおける変異遺伝子の種類や変異頻度、変異パターンを比較解析し、放射線被ばく乳がんの原因変異遺伝子を明らかにすると共に、変異シグネチャーの探索を行う。
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Causes of Carryover |
実験を効率的に進める上で、試薬の消費期限を考慮した結果、実験の一部を次年度にまとめて行うことにしたため。
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Research Products
(4 results)