2019 Fiscal Year Research-status Report
天然および人工由来の臭素化ビフェノールのヒト曝露と体内動態研究
Project/Area Number |
17K00574
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Research Institution | Daiichi University, College of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
原口 浩一 第一薬科大学, 薬学部, 教授 (00258500)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 臭素化合物 / 海藻 / GC/MS |
Outline of Annual Research Achievements |
1 乳幼児の離乳食に含まれる天然由来ハロゲン化合物(NHC)の曝露評価を行うことを目的に、乳幼児の陰膳方式での1日食(n=46)および市販離乳食(n=27)を分析対象とした。GC/MS(ECNI)による化学計測を行い、1日の総摂取量を計算した。陰膳食 (n=40)すべてから2'-MeO-BDE68および6-MeO-BDE47を検出した。これらの成分は、市販の食用海藻を含む離乳食(n=3)で検出されたため、海藻がNHCの起源であると推定された。離乳食を通じた乳幼児のNHC摂取量は難燃剤PBDEと同レベルで、その許容量を大きく下回っていた。しかし、OH-PBDEの乳児への毒性影響はまだ不明確なため継続調査が必要である。
2 食事を通じてヒト体内に暴露されるNHCの由来を調べるため。台湾の澎湖島から6種の褐藻(Sargassum sp)を採取し、NHC組成・濃度を日本の市販海藻(乾燥ひじき)および東南アジア海藻のそれと比較した。また、臭素イオンの総量を求め、NHC量との相関性を調べた。GC/MS分析の結果、台湾海藻には、2’-MeO-BDE68が、日本の市販海藻では6-OH-BDE47が検出され、組成が大きく異なり地域差がみられた。東南アジアの海藻中の総臭素量と各PBDE量との間には相関性はみられなかった。OH-PBDEの生産量が臭素量に依存しないことから、OH-PBDEの生産は特定の海藻種に限定され、環境要因(季節など)に影響されることが示唆された。 今回の研究では、食事中のOH-PBDEは海藻に由来し、MeO-PBDEは魚介類に由来するという従来のデータを支持している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1 海藻の東南アジアでのサンプリングが遅れていること、およびヒト試料のデータ解析に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
1 日本近海の天然由来ハロゲン化合物(NHC)の海洋生物(エビ類)における分布を調べる。同時に、環境汚染物質(PFCA, PFOSなど)との濃度比較を行う。
2 海藻抽出物の抗酸化能およびNHC含有量との関連性を調べる。また、食事によるNHCのヒト曝露評価を行う。
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Causes of Carryover |
生体試料分析結果の検証と成果発表を次年度に行うため。
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[Journal Article] Kanechlor 500-mediated changes in serum and hepatic thyroxine levels primarily occur in a transthyretin-unrelated manner2019
Author(s)
Kato Y, Tamaki S, Haraguchi K, Ikushiro S, Fujii Y, Ohta C, Atobe K, Kimura O, Endo T, Koga N, Yamada S, Degawa M
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Journal Title
Journal of Applied Toxicology
Volume: 39
Pages: 1701-1709
DOI
Peer Reviewed
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