2018 Fiscal Year Research-status Report
水と油二相媒体に対するマイクロバブリングを用いた気相汚染物質の液相捕捉と環境応用
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17K00592
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
関口 和彦 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (50312921)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マイクロバブリング / 揮発性有機化合物(VOC)ガス / 粒子状物質 / 水中捕捉 / 捕集効率 / 油状物質 / エマルション / 粘性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、油状物質を添加したラボスケールの小型反応器を用いて、トルエンガスのマイクロバブリング水中捕捉における、詳細な捕集条件の検討と捕集トルエンの水中・油中濃度の把握、さらに、実際のガス・粒子状物質を含むモデル燃焼ガスに対する捕集効率の評価を行った。 異なる水温(10℃、25℃)とガス流量(0.2 L/min、0.4 L/min)、2種類の油状物質(菜種油、鉱物油)を添加した条件においてトルエンガスの捕集実験を行った。常温条件(25℃)では鉱物油を用いた方が捕集効率は高く、また、低温条件(10℃)においては、低流量では菜種油を用いた方が、高流量では鉱物油を用いた方が捕集効率は高くなった。トルエンの分布に関しては、水中には菜種油を用いた方が、油中に鉱物油を用いた場合よりトルエン濃度が高くなる傾向にあった。この傾向は低温条件下においてより顕著であった。しかし、トルエン捕集量の合計は水中よりも油中の方が多く、ほとんどの場合において、よりトルエンを溶解できる鉱物油を用いた場合の方が捕集効率は高くなった。しかし、10℃, 0.2 L/minの菜種油の場合のみエマルション生成が関与し、水中へのトルエン捕集量が油中への捕集量とほぼ同じ程度まで増加し、菜種油への捕集量も増加した。 モデル燃焼ガスを用い、ガス・粒子状物質を同時に導入した実験では、両者を同時に捕集することは可能であったが、水のみの場合にはガス成分が捕集水の飽和に伴い、徐々に捕集効率が低下する傾向が見られた。油状物質を添加した場合にはこの傾向は抑制され、実燃焼排ガスにおいてもガス・粒子状物質ともに長期捕集が可能であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画では、VOCガスのマイクロバブリング水中捕捉において、最適条件の検討と実燃焼排ガスに対する捕集効率の評価を長期捕集も含め実施することとなっており、概ねその通り遂行できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は当初の計画通り、大流量MBノズルを装着した実証装置を作製し、その基礎性能評価を前年度に発生させた実排ガスを用いて行う。その後、実際の燃焼排ガスに対して捕集効率を評価し、空間清浄能力を評価する。
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