2018 Fiscal Year Research-status Report
Research of optimization for practical application of innovative gas phase sterilization and nucleic acids decomposition system
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17K00599
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡崎 利彦 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (90529968)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 核酸分解 / 作用機序 / 最適化 / 実用化 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は今までにエタノールを原材料とし、銅触媒反応により発生させた混合ガスにより、従来得られなかった常温下での滅菌・核酸分解同時機能を示す革新的技術開発を行ってきた。これらの開発技術を具体的な実用化技術として進展させていくには、安全性にも配慮した具体的な運用条件の決定が不可欠となる。Maximumの条件下での効能のみならず、その作用分子種の具体的な有高濃度の幅を特定し、かつそれらの総合作用動態を明らかにすることが必要となる。本年度において、本件開発技術の主要な構成要素である核酸分解能に関して、その機能に寄与する主たる分子種を特定し、別の独立したアッセイ系を用いて、それらの分子種のもたらす効能を、濃度・反応時間・温度(常温)の面から検証を行い、その作用メカニズムの詳細をを明らかにし、それらをデータベース化した。その内容は、核酸分解能が主要分子種による相乗効果によりもたらされることを明らかにしたものであり、その最適化ポイントの特定を含めて特許申請を行った。この成果により、今後本件の革新的技術を用いた具体的な実用化機器の開発に向け、まずは試験装置を一部改良し、これらの有効分子種の動態を反映する最適化されたパラメータのモニター機能を付与し、それを用いた稼働時性能評価(Operational Qualification)を個々の対象となる医療機器ごとの用途・目的に応じて評価を進めていくことで、実用化へ向けて有効なProcess Validationに向かう進捗が得られるものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作用分子の特定に用いたアッセイ系から本件開発の作用機序が明らかになるとともに、それらが連動する新たなメカニズムの解明に至った。これらの作用動態の内容を含め現在特許出願中である。これにより、実用化において必要な最適化条件のパラメータ評価が可能になった。それらのパラメーターをモニターする新たな機能を現行の評価機器に付与し、庫内型滅菌・核酸分解機器としての実用化を加速させる。
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Strategy for Future Research Activity |
現行の評価機器を一部改良し新たに解明した有効分子種のモニター機能を最適化する。それにより効能のモニターに対する有効かつ最適なサロゲートマーカとなるモニター機能を装備した評価機器を用いて、実用化に向けた運用マニュアルのデータベース作成を試みる予定である。
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Causes of Carryover |
現在の評価機器への有効分子種のモニター機能の付与を本年度予算にて検討していたが、本年度に明らかになった作用機序の分子動態が明らかになったことで、それらの分子種の測定には当初付与を考えていたモニター機器の感度では低すぎることが明らかになり、さらに低濃度域を正確に測定することが必要であることがわかった。しかし現状の専門企業の技術ではリニアに迅速に測定モニターすることが難しい(まだ開発段階のため莫大なコストがかかる)ことが明らかになったため、特定した分子種に変わるサロゲートマーカーに注目し、それらのモニター機能を付与すること次年度に検討している。
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