2018 Fiscal Year Research-status Report
活性化処理したフライアッシュのコンクリートへの混和材への利用に関する研究
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17K00602
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鵜澤 正美 日本大学, 生産工学部, 教授 (80571299)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フライアッシュ / 活性化 / C-S-H / ゲル化 / 高炉スラグ / セメント / モルタル |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度分の業績については、現在生産工学部研究報告A(理工系)に投稿中。査読応答をしている。2019年度中には発行される予定。2018年度は計画通り、フライアッシュの活性化処理条件を探索し、結果、平均7.8%の圧縮強度の増進が認められた.しかし目標とする高炉スラグ含有モルタルに対しては,80%であり更なる処理条件の検討が必要である.最も大きな改良点として,FAは分散性に優れるが処理によってCSHが生成すると,ゲル化によってくっつき合い分散性が失われることである.この点の改良案として,例えばセメントの減水剤はCa系化合物の分散にも一般的に使用されていることから,ナフタレンスルフォン酸系減水剤などの使用によって分散性をよくすることにより,本来発現すべき強度を出せる可能性もある.今回の研究は条件出しのあたり実験が多く,基本的な条件を試行錯誤の中から選定していった.地味な研究ではあったが,一定の成果を収められたと考えている.まとめると、(1)FAを飽和水酸化カルシウム溶液で処理しセメントに25重量%置換することにより,圧縮強度が未処理に比べ高めることができた.FAと飽和水酸化カルシウム溶液の固液比は重量で1:0.5,攪拌を行う時に使用する羽根はマリン翼を使用するのが最適である.(2)FAの攪拌時間は3時間が最適である.処理後のFA含有モルタルの圧縮強度平均で7.8%の圧縮強度の増進が認められた.しかし目標とする高炉スラグ含有モルタルに対しては,80%であり処理条件の更なる検討が必要である.この結果は環境安全工学科卒業研究概要集(平成30年度)に記載されている。また、(社)無機マテリアル学会 第137回講演会、日本大学生産工学部第51回学術講演会でも口頭発表をしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間の研究で、2017年度は強度と化学成分、2018年度は高活性化処理、2019年度は複数のフライアッシュでの強度と化学成分、EPMA分析などを計画していた。2017年度、2018年度は順調に進捗し、口頭発表、論文発表も登校中である。2019年度も計画通り実行し、最終的な総括の論文の投稿、複合材料学会での口頭発表を計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
予算も十分な検討ののち申請したために、不足なく研究ができている。2019年度の成果をもとに、あらたに更なる強度の向上策を検討し、再度、研究の申請をする予定である。本研究は3年間で完成するものではなく、壮大な研究であり、継続的な研究が必要である。発想や着想は国家利益に準拠しているので、是非つぎの研究も採択され、けいっぞく的な研究をし大きな成果にむずびつけたい。
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Causes of Carryover |
予定していた物品をすべて購入したが、見積額より安価に購入できたため約10万円の残余が発生した。この残予算で、研究成果の共有化のための持ち運び可能なプロジェクターを購入する。これまで情報の共有化のために先方へ出向き打合せをする際、プリントアウトした資料を持ち運んで会議室などで打合せをすることが多かったため、電子ファイルとプロジェクターを持ち運べば、場所を選ばず、例えば実験室でも打合せが可能である。2019年度は最終年度であるため共有化の機会が増えるため早急に調達する予定である。
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