2018 Fiscal Year Research-status Report
Analyzing Electric Generation and Rising Electricity by Decreasing Internal Resistance of Soil Microbial Fuel Cell
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17K00605
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
藤長 愛一郎 大阪産業大学, 工学部, 教授 (40455150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 博明 大阪産業大学, 工学部, 教授 (40135520)
谷口 省吾 大阪産業大学, 工学部, 契約助手 (40425054)
高浪 龍平 大阪産業大学, デザイン工学部, 講師 (00440933)
岸本 直之 龍谷大学, 理工学部, 教授 (00293895)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 微生物燃料電池 / 内部抵抗 / たい肥 / 下水汚泥 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,微生物燃料電池(MFC)の発電量については,閉回路と開回路を短時間で繰り返すことにより増加する現象を見出したので,この現象を利用するために,モデル式によるシミュレーションで最大限の電力を得るための条件を見つけ,実験で立証するものである。 たい肥を用いたMFCの外部抵抗との閉回路(Close Circuit: CC) と開回路(Open Circuit: OC) を短い時間で切り替え,くり返すことにより,CCを同じ時間続けるよりも発電量が増加する現象に基づいた実験を行った。まず,たい肥を用いてMCFを作成し,CC-OCの時間を1秒~60秒に変えて,実験を行った。CC-OCの電力密度を直前の連続CCと比較すると,1.2~1.3倍の電力密度が発生することが分かった。次に,実験に基づいたモデル式を作成した。モデル式を用いた計算結果の一例として,CC-OCの繰り返しで最大電力を与える時間を計算で求めた結果,CCとOCの時間は5秒以内となった。 この手法の欠点として,OCの時間は発電が休止している時間となる。そこで,OCの時間を補うために複数のMFCを使用して,リレースイッチを用いていずれかのMFCは必ずCCとなる電気回路を作成して,その成果を実験的に把握した。その結果,CC-OCの繰り返しと同じく,1つのMFCを連続運転するより,4つのMFCで1秒ごとに接続が切り替わる方が電圧が4割向上した。 さらに,この考え方を応用し,電池を複数個,直列接続した場合,また並列接続した場合の電圧を確認したところ,いずれもMFCの数が多い方が高くなるが,4,5個以上接続しても,電圧増加しないことが分かった。そこで,直列と並列接続を組み合わせた回路で試したところ,MFC4個直列を3セットまたは3個直列を4セットが最も電圧が上昇し,発電10分後でも1V以上を保つことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度には,閉回路(CC)-開回路(OC)の時間を変化させた条件に加え,CCの時間を一定にしてOCの時間を短くしていく実験を実施した。モデル式の作成についても,予定通り進んでいる。まずは,電流による有機酸消費と拡散による有機酸の供給で有機酸濃度が上昇するモデル式を作成した.このモデル式を一般化するには,異なった条件(例えば,酢酸濃度を高濃度にした場合,また本実験は,固形物が含まれるが,水溶液だけを用いたMFCなど理想に近い反応が生じるものを作製して,データを取得するなど)の実験に,今回作成したモデルが適用可能かを検証することで,一般化する際の信頼度が高まる。 CC-OCの繰り返しの欠点として,OCの時間は発電が休止している時間となる。そこで,平成30年度の実験では,OCの時間を補うために複数のMFCを使用して,リレースイッチを用いていずれかのMFCは必ずCCとなる電気回路を作成して,その成果を実験的に把握した。その結果,CC-OCの繰り返しと同じく,1つのMFCを連続運転するより,4つのMFCで1秒ごとに接続が切り替わる方が電圧が4割向上した。さらに,この考え方を応用し,電池を複数個,直列接続した場合,また並列接続した場合の電圧を実験を行って確認した。その結果,直列接続も並列接続もMFCの数が多い方が高くなるが,4,5個以上接続しても,電圧増加しないことが分かった。そして,直列と並列接続を組み合わせた回路で試したところ,MFC4個直列を3セットまたは3個直列を4セットが最も電圧が上昇し,発電10分後でも1V以上を保つことができた。このことは,平成29年度の結果を受けて,平成30年度にそれを応用した実験を引き続き実施できたため,3カ年の研究が2年目まで順調に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
実験については,有機物源として,たい肥以外にも実際の下水処理場で,活性汚泥,返送汚泥,嫌気消化汚泥など,様々な種類の汚泥を用いて微生物燃料電池 による発電効率と下水汚泥処理の観点からの処理効率を把握する。そして,温度や酸化還元電位(ORP),pH,化学的酸素要求量(COD)などが反応に与える影響を把握する。そして,昨年度作成したモデル式を色々な条件下で使用できるか確認し,最適条件を計算で求める。次に,実験でその最適条件を確認して,モデル式を用いた,MFCの設計手法を確立する。
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Causes of Carryover |
昨年度の使用額は一部残り,次年度使用額は,175,710円である。この理由として,共同研究者が研究発表会にこの費用を用いて参加する予定がそうならなかったためである。次年度は試薬代として使用する予定である。
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Research Products
(7 results)