2019 Fiscal Year Annual Research Report
Transfer kinetics and its prediction of perfluoroalkyl acids to a marine sandworm species
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17K00617
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
櫻井 健郎 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 室長 (90311323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 淳 熊本県立大学, 環境共生学部, 准教授 (00414368)
矢部 徹 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 主任研究員 (50300851)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 汚染質動態とモデリング / 残留性 / 生物蓄積 / 底生動物 / 動力学 / 吸収 |
Outline of Annual Research Achievements |
海産底生動物は、食糧資源としても重要な沿岸海域食物網への化学物質の入口として重要であるが、化学物質の移行動力学の知見が限られている。パーフルオロアルキル酸化合物(PFAAs)は環境中に残留し世界中に遍在しており、このうち二化合物がこれまでにストックホルム条約の残留性有機汚染物質に指定されている。しかしながら、PFAAsを含むイオン性化合物は、環境中動態の予測に必要な知見が不足している。とくに、種々の生物に適用可能な予測モデル構築の観点から重要な、吸収効率まで明らかにした報告が殆どない。 本研究は、パーフルオロアルキル酸化合物(PFAAs)を対象に、海産ゴカイへの移行動力学を新たに明らかにし、水中および食物中濃度よりゴカイ中濃度を予測するモデルを構築することを目的とする。本研究の成果は、多様な化学物質の排出から曝露に至る動態予測を確立する際の基礎となるものである。 今年度はまず、海水曝露実験系の検討として、海水へのPFAAsの混和方法および実験水槽への供給方法を検討した。ブランク確認実験、設計確認実験を行い、実験系のブランクが添加水準に比して十分に低いこと、またおおむね想定した濃度での曝露が行えることを確認した。次にPFAAs10化合物を対象とした17日間の海水曝露の本実験を行った。実験試料の分析を行い、結果を一次反応速度論に基づくマスバランス式により動力学解析し、化合物ごとに浄化半減期や呼吸に伴う取り込み効率の値を得た。 これにより、前年度までに行った餌曝露実験の解析とあわせて、PFAAsの体表面と消化管とでの吸収効率、また体内からの消失半減期を明らかにした。これら動力学パラメーターに基づき水中および食物中濃度よりイソゴカイ中PFAAs濃度を予測するモデルを構築した。
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Research Products
(2 results)