2019 Fiscal Year Annual Research Report
Chemical safety assessment of oligomeric organophosphorus flame retardants used as alternatives for restricted hazardous substances
Project/Area Number |
17K00641
|
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
松神 秀徳 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 主任研究員 (10639040)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 剛 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 主任研究員 (70414373)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 縮合型リン系難燃剤 / リスク因子 / 低分子量不純物 / 溶解性 / 膜透過速度 / ERアゴニスト活性 / 模擬消化液 / 模擬肺胞液 |
Outline of Annual Research Achievements |
使用済み電気製品の解体現場で採取したダスト試料を対象に模擬肺胞上皮液およびリソソーム液を用いた溶解性試験を実施し、製品中縮合型リン系難燃剤の吸入曝露に伴う肺胞液への溶解性を調査したところ、市販製剤に含まれる低分子量不純物の溶出濃度が主成分の縮合物よりも高い値を示した。 主要な市販製剤(CR-733S、CR-741、PX-200、CR-504L、V6)を対象に模擬胃液および模擬小腸液を用いた溶解性試験を実施し、縮合物と低分子量不純物の溶出率(%)を比較したところ、CR-733Sでは0.26と0.49、CR-741では0.44と0.57、PX-200では0.017と0.81、CR-504Lでは5.3と21、V6では1.8と26であった。 上記の市販製剤を対象に模擬肺胞上皮液および模擬リソソーム液を用いた溶解性試験を実施し、縮合物と低分子量不純物の溶出率(%)を比較したところ、模擬リソソーム液においてCR-733Sでは6.4と15、CR-741では8.2と9.7、PX-200では0.20と1.7、CR-504Lでは23と68、V6では11と63であった。 上記の市販製剤についてCaco-2細胞膜透過性試験を実施し、縮合物と低分子量不純物の膜透過速度の対数値(cm/s)を比較したところ、CR-733Sでは-4.5と-5.5、CR-741では-4.7と-6.3、PX-200では-4.9と-6.5、CR-504Lでは-4.2と-4.4、V6では-4.3と-4.5であった。 上記の模擬胃液および模擬小腸液を用いた溶解性試験で得られた溶出液を対象にERアゴニスト活性を評価したところ、ERアゴニスト活性の実測値は、低分子量不純物の溶出濃度から算出したERアゴニスト活性の推算値と良く一致した。 以上のことから、製品中縮合型リン系難燃剤のリスク因子は、市販製剤に含まれる低分子量不純物であると推察された。
|
Research Products
(6 results)