2019 Fiscal Year Annual Research Report
Quantification of periphyton community structure through pigment analysis
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17K00649
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
吉山 浩平 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (90402750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 泰介 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 総括学芸員 (60344347)
丸尾 雅啓 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (80275156)
吉山 洋子 龍谷大学, 農学部, 実験助手 (80519968)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 群集生態学 / 付着藻類 / 河川生態系 |
Outline of Annual Research Achievements |
河川付着藻類の群集構造に対する付着基質の特性,流量,光環境などの影響を解明するため,夏期(2018年8月30日)および冬期(2019年1月17日)に犬上川(滋賀県)において,犬上川ダムを挟んで上流3地点,下流3地点の計6地点において調査を行った.大礫・小礫・砂の3種類の基質から付着藻類を採集し,採取地点ごとの水質,流量を測定した.付着藻類サンプルは2分割し,一方は顕微鏡計数用,他方は色素分析用とした.顕微鏡計数用サンプルから珪藻・ラン藻・緑藻の被覆度を算出した.珪藻については酸処理をして永久プレパラートを作成し,種同定を行った.色素分析サンプルは濾過後,有機溶媒で抽出し,高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により,クロロフィルa(全藻類生物量の指標),フコキサンチン(珪藻生物量の指標),ゼアキサンチン(ラン藻生物量の指標),クロロフィルb(緑藻生物量の指標)の4種類の色素量の測定を行った. 栄養塩分析の結果から,ダムを挟んでケイ素が減少する一方で,硝酸,リン酸の濃度は上昇した.色素分析から,流速の増加とともにラン藻・緑藻に由来する色素の量が減少し,もっとも流速が大きい地点では検出限界以下であった.上流部には単体で存在するNavicula属,下流部には群体を形成するNitzschia属,Ulnaria属が多く見られるなど,珪藻の群集構造は上流部と下流部で大きく異なった. 引き続きえられたデータを解析し,珪藻群集構造と環境要因の関係を明らかにする.得られた成果より,水生昆虫や魚に対するエサとしての付着藻類群集を良好な状態に保つ河川管理方法や,大規模撹乱に対する河川生態系の応答を理解する上での基礎となる概念を提案する.
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Research Products
(1 results)