2018 Fiscal Year Research-status Report
メタン発酵消化液のエリアンサスへの周年施用によるエネルギー利用型資源循環の構築
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17K00664
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大土井 克明 京都大学, 農学研究科, 助教 (90372557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠田 啓 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (90169988)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エネルギー作物 / 資源循環 / メタン発酵 / 前処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
エリアンサスの栽培試験は株数が少なく,個体差が激しいことから乾物重/茎数で評価した.5L施肥区10L施肥区とも収穫日が遅くなるほど水分量は減少した.乾物重/茎数は5L区で11月5日に,10L区で12月19日に最大となった. 平成29年度に京北のほ場でのサンプリング,分析等が計画通りに進まなかったため,バックアップとして大学近隣の圃場でのソルゴーの栽培試験を並行して行った.エネルギー作物としてソルゴーを選択したのは,エリアンサスでは定植から安定的な収量になるまで3年程度かかるのに対し,ソルゴーでは1年で十分な収量が得られるためである.試験は播種を5月1日,5月17日,6月7日,6月21日,7月12日,8月7日,8月29日の7回行った.施肥量に対する乾物収量を調査するため,1回目から4回目の播種では1平方メートル当たり5L区と10L区を,5回目の播種以降では10L区と15L区を設定した.乾物収量は15L区のものが有意に多いことがわかった.平成31年度の施肥指針を決定するために,ワグネルポットを使用して15Lよりさらに施肥量を増やしたものと比較したが,15Lを超える施肥量では発芽に影響が出ることがわかった. 前処理方法については水酸化ナトリウムを使用した熱アルカリ処理によりガス収量が増加すること,塩分阻害の懸念から代替としてアンモニアによる熱アルカリ処理でも同等の効果があることがわかっていた.本年度はコスト削減から消化液中のアンモニア成分に着目し,熱消化液処理を前処理として検討した.その結果,熱消化液処理によってメタン発生量はアンモニアによる熱アルカリ処理に並ぶ程度まで増加した.アンモニア量で約50mg/g-dw以下かつアルカリ度の減少量で約9,000mg-CaCO3/L以上になるような混合率で最大の効率が得られることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
エリアンサスを原料とした連続投入メタン発酵試験を行ったが,未分解の固形分が非常に多いため排出用のバルブが閉塞する現象が発生したため,未処理,および前処理を施した原料での発酵特性の比較ができていない.
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Strategy for Future Research Activity |
連続試験用の発酵槽について,排出用バルブおよび排出用の配管の径を大きくなものに交換する改造を行い,連続試験による未処理,および前処理を施した原料での発酵特性の比較を行う.平成30年度は,固形分濃度を10%とし,投入原料をすべてエリアンサスとしたが,発酵槽の改造後においても閉塞する現象が見られた場合,固形分濃度を低下させる,あるいは易分解であることが確認されている米ぬかとの混合消化を行い閉塞を回避する対策をとる.
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Causes of Carryover |
連続投入メタン発酵試験用の発酵槽を作成する予定であったが,現在あるもので予備試験を行ったところ配管が閉塞する問題が発生したため,解決のための方策を検討し,発酵槽の改良を設計図面に反映し次年度に作成することとなった.次年度の発酵槽の制作費として使用することとしている.
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Research Products
(6 results)