2020 Fiscal Year Research-status Report
Study on economic indicators of sustainability accounting for the Planetary Boundaries
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17K00677
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
成田 大樹 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (50746485)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 環境経済学 / プラネタリー・バウンダリーズ / リスク・不確実性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本事業に関連する研究として、以下の論文を取りまとめ発表した。 まず、気候変動はプラネタリー・バウンダリーズ概念に包含されている主要問題の一つであるが、気候変動への適応の問題に関する分析を行なった。具体的には、現在実施中のケニアの灌漑開発プロジェクト(ムエア灌漑開発プロジェクト)が現地における将来の気候変動の影響をどの程度軽減するかについて定量分析を行なった。将来の気候や現地社会経済条件については不確実性が大きいため、多数の(24000通り)シナリオを考慮してシミュレーションを行なっている。灌漑事業は気候変動抜きにしても便益があるものであるが、栽培作物(米)の収量や農業所得に関して、当該プロジェクトが純粋な気候変動適応効果(気候変動のあるなしで比較した場合の効果の差分の減少)ももたらす可能性があることを定量的に明らかにした。成果は査読ジャーナル論文(Narita et al., 2020, PLOS ONE)として出版された。 また、プラネタリー・バウンダリーズ概念により考慮されている問題としてエアロゾル排出と気候変動があるが、シベリアの森林火災はこれらの要因として重要なものとして考えられている。シベリア森林火災に関する社会経済的要因や現地での管理システムに関して、ロシア北東連邦大学の研究者等と共同で調査を行い論文にまとめた。成果は査読ジャーナル論文(Narita et al., 2021. Polar Science)として出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者の異動により研究遂行に関する当初の見込みが大幅に変わり、また2020年度はさらにコロナ禍により海外出張などの経費執行を伴う活動がほとんどできない状況であった。他方で当初は予定していなかったものの本事業に内容が関連するような研究については継続して成果が生まれている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の異動により研究遂行に関する当初の見込みが大幅に変わり、また2020年度はさらにコロナ禍により海外出張などの経費執行を伴う活動がほとんどできない状況であった。他方で事業期間を通じた諸状況の変化に伴い研究代表者の研究活動全般に関して広がりが出たというのもあり、本事業に関連する研究成果は継続して生まれている状況である。2021年度は最終年度になるが、なるべく実りある事業となるよう、努力していきたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により海外出張ができないため当該年度中に執行できない予算が生じた。
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Research Products
(4 results)