2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K00685
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
北村 敏也 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (80224971)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 地域騒音 / 測定用サテライト |
Outline of Annual Research Achievements |
地域の騒音を多点で測定・評価するための騒音測定用サテライトの試作をし、データベースとの接続試験を行った。 騒音測定用サテライトは、制御用CPUとしてRaspberry Pi 2を用い、USB端子からUSB-ADCを介して騒音測定用マイク、360度Webカメラ、モバイル通信アダプタを接続し、GPSユニットをPIOを介して接続した。また市街地に数日間設置することからバッテリを用意したが、設置する装置の大きさと重量等のバランスから、バッテリ容量はそれほど大きいものとすることができない為、小型バッテリとした。これにより装置全体を定格電力で運用する場合はバッテリにより約半日の連続運用が可能となったが、目的の数日という測定期間に対応するため、リアルタイムクロックを搭載したサブMPUにより設定した時間になると制御用CPU及びその他の機器類に通電し、制御用CPUが定時の測定を終了するとシステムをシャットダウンし電力を遮断する断続運用することとし、制御用CPUにサブMPU及び電源管理回路を作成した。これにより定格電力でも1日から数日(ただし測定時間と測定間隔の比率により変化する)の測定が可能となった。システムの仮組み立て後、全体の使用電力を測定したところ、動作により電力の変動はあるものの、平均して定格の20%程度しか電力を消費しないことから、約1週間程度の連続無人測定が可能であると確認した。また同時にリアルタイムクロックによる制御用CPUの時刻補正及びGPSによるリアルタイムクロックの時刻補正機能を組み込んだ。 また、モバイル通信アダプタを介した研究室サーバとの接続試験を行い、通信の確立等の確認を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
騒音測定用サテライトの試作において、測定用CPUおよび360度Webカメラの定格消費電力が大きいこと及び測定用CPUがリアルタイムクロックおよび電源管理機能を備えていないことから、リアルタイムクロック及び電源管理システムを追加で備えることとなった。そのためそれらの回路の作成及び調整、確認のために全体のスケジュールが遅れた。 現在はハードウェアの構成は概ね終了している。当初の予定にあった音声と画像の記録方法及びそれらのデータベースへの通信データの検討、測定用CPUへの保存データの検討等を進めているところであり、次年度には仮運用に移れる状態にある。 全体としては、当初の計画で仮運用を行い、技術的要件や必要なデータ等について検討する予定であったが、この点が実現していないことから、「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、本年度の予定の仮運用を行い、測定用サテライトの仕様の過不足、測定項目、測定間隔等を検討する。加えて、緊急自動車のサイレンや通行人の声などの突発的な音について除外した従来の騒音評価と、それらの突発的な音も含めた騒音評価の際についても確認を行いたい。また複数台の測定用サテライトでの運用を目指し、2台の測定用サテライトを追加作成する。 平成31年度は、複数台の測定用サテライトでの測定評価を中心に行い、幹線道路沿い、諸工業地域、住宅地域、学校周辺地域など地域特性による騒音の違いを評価するとともに、本システムの有効性について検討する予定である。平成31年度は主に測定に充てることから、前年度までの計画に遅れが生じた場合、31年度に遅れを回復できるものと考えている。
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Causes of Carryover |
物品購入時に性能的に十分でありより安価な製品を選択するなどの節約により本年度末に4,985円が残った。今後の研究遂行上で必要な物品を購入するには不十分な金額であることから、本年度は不使用とし次年度予算と合わせて必要物品を購入することとしたため、次年度使用額が生じた。 この使用額は翌年度に物品費として使用する計画である。金額が小さいことから、翌年度の計画に大きな変更はない。
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