2019 Fiscal Year Research-status Report
地域資源活用を通した住民自立型防災まちづくりの手法開発
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17K00689
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
吉積 巳貴 立命館大学, 食マネジメント学部, 教授 (30423023)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 防災まちづくり / 住民自立型まちづくり / 地域資源活用 / ESDプログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日常的なまちづくりに防災対策を統合した防災まちづくりにおいて、活動資金を地域資源の活用から確保することで住民が行政に依存せず、主導的に防災まちづくりを進めることができる「地域資源活用を通した住民自立型防災まちづくりの手法開発」を目的としている。 本研究では、伝統的な地縁組織やコミュニティ活動が現在も維持されている地方都市型の地区と、伝統的な地域コミュニティ活動がほとんど失われており、ほぼ地域コミュニティ活動がない現代都市型の地区において調査を進めることで、既存コミュニティ活動を維持する場合と新しいコミュニティ活動を創造する場合とを比較しながら研究を進めている。調査都市としては、地方都市型として日本では和歌山県田辺市新庄地区、ベトナムではフエを、そして現代都市型として日本では兵庫県西宮市、ベトナムではダナンを対象に研究を行った。 2019年度は、地域資源を活用して住民が自立して防災まちづくりを行っている事例として、財産区の森林や土地の運用により防災まちづくりを進める和歌山県田辺市新庄愛郷会と、自然環境や農園を活用したESDプログラムを運用して、住民自立型防災まちづくりを進める兵庫県西宮市とNPO法人こども環境活動支援協会の取り組みの調査を通して構築した地域資源を活用した住民自立型防災まちづくりの方法をベトナムのフエとダナンへの適用方法を検討した。フエのホンハ地域では、地域コミュニティによるエコツーリズムの収益の一部を地域づくりの費用にする仕組みを構築した。ダナンでは、ソンチャ半島において、NGOが中心となってエコツーリズムを実施し、その収益の一部を地域の資源管理の費用にする仕組みを構築している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ベトナムの調査地において台風や洪水による被害が大きかったことに加え、新型コロナウイルス感染症の問題が発生し、実証実験のためのパイロット事業の実施がやや遅れ、研究活動期間を2020年度に延期せざるを得なかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
ベトナムでは、新型コロナウイルス感染症の被害が収まりつつあり、日常生活も再開しつつある。ベトナムの共同研究者と連携しながら、2019年度中に実施完了予定であったパイロット事業を完了させ、2020年度中にガイドラインの作成と研究成果のまとめを行う。
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Causes of Carryover |
当初予定していたベトナムにおけるパイロット事業が、自然災害が発生したとともに、新型コロナウイルス感染症の問題が発生したために、実施が遅れた。そのことにより、予定していた研究費の執行ができなかった。パイロット事業は、2020年度において、継続して実施するため、予定していた研究費は執行する予定である。
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