2018 Fiscal Year Research-status Report
都市養蜂を利用したミツバチの生態解明、環境改善および環境教育に関する研究
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17K00711
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
永瀬 彩子 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (80544535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 慎一 筑波大学, 芸術系, 教授 (40420913)
野村 昌史 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 准教授 (50228368)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生物多様性 / 都市緑化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミツバチの活動期である2019年の4月から9月にかけて、東京都中央区屋上、江東区屋上、西千葉屋上、柏の葉キャンパス地上の4地点にて、ミツバチの訪花植物の調査を行った。ミツバチの体に付着して巣に持ち帰る花粉荷を月2回採集し、次世代型DNAシークエンサー技術を用いて、植物種を同定した。4か所で合計約300種の植物を訪花していることが示された。そのうち、54%は草本類で、46%は木本類であった。また、26%は自生種、71%は外来種、3% は園芸種であった。植物種は柏の葉が最も多く、西千葉、中央区、江東区の順に少なくなった。花の数が多い街路樹がよく利用されていた。例えば、江東区では、アメリカデイゴ、中央区では、ユリノキが長期にわたり利用されていた。また、草本ではクローバーなど雑草が多く利用されており、都市において、はらっぱを保全し、花粉源となる植物を残す選択的除草を行うことの重要性が示された。自生種の中では、イロハモミジなど風媒花で、蜜は出さないもののミツバチにとっては重要な花粉源となるものが含まれていた。さらに、結果はそれぞれの土地の周辺の植生を示していた。例えば、柏の葉では、キウイなどの農業作物が、西千葉屋上では、屋上に植栽された海岸性植物が利用されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミツバチの訪花に関する研究は順調に進展したが、都市養蜂の心理的な評価は、昨年の調査の振り返りにとどまり新たな調査ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、DNA分析から得られた植栽調査結果をもとに、木本を中心として養蜂箱周辺の樹木の調査を行う予定である。 2018年度に予備実験で行った一般市民の都市養蜂の認知度の調査を国内外で行う予定である。
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Causes of Carryover |
次世代シークエンサーを利用したDNA分析に予算を使用する予定である。また、海外における学会発表などを積極的に行う予定である。
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