2018 Fiscal Year Research-status Report
Study on elucidation for visual field area inducing stereoscopic motion sickness based on mathematical modeling of the equilibrium function system
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17K00715
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
高田 宗樹 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (40398855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 明弘 岐阜医療科学大学, 保健科学部, 講師 (00528630)
横山 清子 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 教授 (50174868)
高田 真澄 四日市看護医療大学, 看護学部, 講師 (50760998)
宮尾 克 公益財団法人名古屋産業科学研究所, 研究部, 上席研究員 (70157593)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | デザイン評価分析 / 応用数学 / 数理モデル / 数値解析 / 生物・生体医工学 / 自律神経機能検査 / 衛生学 / バーチャルリアリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、立体映像視認によって生じる「眼疲労」や「映像酔い」の機序を解明することを目的とし、特に、視認時のVectionを誘発する視野領域および像の運動を実験的に明らかにする。 昨年度までに、周辺視による立体映像視認時における体平衡系への影響計測の高精度化に成功した。確率微分方程式による体平衡系の数理モデル化・数値解析を行うことにより、最適な雑音強度や時間ステップなどの因子を推定することができる理論的なスキームを構築した。周辺視による立体映像視認時における体平衡系へ及ぼす影響の計測データに対して、上述のスキームを適用した。被験者ごとに体平衡系を記述する確率微分方程式を導出し、数値解析を行った。研究代表者は定常非ガウス時系列に対する数理モデルの構成理論を構築・改良を繰り返しており、本実績はその集大成ともいえる。本年度は数値解析の評価指標に、新たに、非線形解析で用いられる並進誤差を導入して、計算アルゴリズムを伸展させた。 また、昨年度に制作・開発した立体映像コンテンツを用いて、立体映像視認時における視覚誘導性自己運動感覚の誘発に関する検証を行った。本年度は9名の健常若年者を対象として以下の実証研究を行った。加えて、周辺視領域を変化させて、fNIRSを用いて視覚情報処理系に及ぼす影響についても検討し、一定の成果を得た。詳細は【現在までの進捗状況】に記す。さらに、健常な男女116名を対象に実施した比較対照実験について統計解析を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
9名の健常若年者(平均±標準偏差:22.56±0.68)を対象として以下の実証研究を行った。加えて、周辺視領域を変化させて、fNIRSを用いて視覚情報処理系に及ぼす影響についても検討し、一定の成果を得た。 これまで立体映像曝露の影響を実証的に調査する際、重心動揺検査の視標として用いた視覚刺激用2D映像および、これに通常の2D/3D変換を行って得られた立体映像をもとに、背景が周期的に搖動する立体映像コンテンツを制作した。すなわち、これらの映像から視標を取り除いた2D/3D映像(VC1,VC2)、静止視標を有する 2D/3D映像(VC3, VC4)、被験者の視運動座標系上で視標が準周期運動を伴う2D/3D映像(VC5, VC6)、これらの映像の視標にさらに背景の搖動成分を重畳した2D/3D映像(VC7, VC8)である。ここでは、背景が左右へ周期的に変動することにより、被験者の視点(立ち位置)のみを前庭系への入力がないまま変化させており、周辺視による負荷を高めている。 60秒間の映像視認時およびその後120秒間の閉眼時における重心動揺を計測した。実験開始60秒ごとに動揺図を記録し、動揺量を算出した。以上のプロトコルの比較対照実験として、映像視認時に目の高さ2m前方に設置した凝視点を視認して行う重心動揺検査を行い、同様な時間間隔で動揺図を記録した。尚、映像の順序効果を加味した。 分散分析により動揺量の統計的な比較を行っている。静止視標を有する映像視認時に立位姿勢が安定化した。これに比して、VC6やVC8の視認時および視認後において動揺量の有意な増大を認めた。VC6の視認時/後における動揺量の値に比してVC8の視認時/後のそれは増大する傾向がみられた。 そこで、健常な男女116名を対象に実証研究を行った。静止視標を有する3D映像VC4、被験者の視運動座標系上で視標が準周期運動を伴う3D映像VC6を視認させた。上述したプロトコルに従い、比較対照実験も行った。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度健常な男女116名を対象に実施した実証研究では、静止視標を有する3D映像VC4、被験者の視運動座標系上で視標が準周期運動を伴う3D映像VC6を視認させた。上述したプロトコルに従い、比較対照実験も行った。これについて統計解析を行う。若年者群32名15-28歳(平均±標準偏差:21.50±2.52)、中年者群57名31-57歳(平均±標準偏差:45.09±7.26)、および高年者群27名60-89(平均±標準偏差:70.11±6.00)に分けて動揺量について分散分析を行い、多重比較する。 昨年度、実際の実験と比較して均質化された数値シミュレーション(数値解析)を行うことにより、記述するシステムの変化を敏感に捉えて表現することにも成功した。これにより、周辺視による立体映像視認時における体平衡系への影響を高精度に計量することができる。本年度、9名の健常若年者を対象として行った実証研究で記録された動揺図をもとに、映像視認時の動揺図を記述する数理モデルを導出し、数値解析を行う。
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Causes of Carryover |
成果発表を目的とした国際会議参加のための渡航を年度末に予定していたが、管理職(学科長、専攻長)兼務のため実施できなかった。そのため、次年度に実施する予定である。
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Research Products
(14 results)