2017 Fiscal Year Research-status Report
デジタルファブリケーションによる共創化現象に対応したデザイン手法
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17K00719
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
富松 潔 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (70264124)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オープンデザイン / インタラクションデザイン / デザイン思考 / 共創デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
デザインの共創化現象の現状を明らかにするために、実際にFabbleやThingiverseなどものづくり情報共有サイトの調査と、実際にものづくりデータを用いたデザインの実践を行った。デザインの実践ではソフトロボティクスやインタラクティブゲームなどの作品制作を行った。このように専門領域における事例について、実践を通して我が国および各国の事例の現状を把握した。 また、デザインの共創化手法を用いた事例の蓄積を開始するために必要な設備の整備などの事前準備を行った。具体的には、九州大学に設置したFabLab設備の運用に必要な加工用材料の準備、電子部品などの作品制作に必要な素材やパーツの準備を開始して、CG技術とデジタルファブリケーションの融合、webを介した創作などの実践を開始した。 20世紀のデザインプロセスと手法は工場による大量生産を前提としており、生産をする以前に、デザイナーが色、形状や機能を決定して図面や3次元データを作成して生産工程に受け渡しするものであった。FabLab設備の運用を前提としたものづくりの場合、考えながらプロトタイプを作り、作りながら修正を加えるなど、考える工程と作る工程をひとりのデザイナーが繰り返し実践することができた。そのため個人で作り始めるために必要なものづくり情報が公開されており、そのような公開された情報を利用してものづくりを始め、修正や改良を加えて公開共有するようなデザインプロセスと手法を用いた。初年度はそのような実践事例を蓄積を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
FabbleやThingiverseなどものづくり情報共有サイトの利用により、実際にものづくりデータを用いたデザインの実践を行った。ソフトロボティクスのワークショップを開催してエアチャンバー、エアアクチュエータを用いたソフトロボットを開発した。シリコン素材の選び方、デジタルファブリケーションによる注型モールド制作、成型方法・ノウハウの習得、成型の実施と失敗からの学びの分析、改良の繰り返し等一連のプロセスを学ぶことができた。制作した作品は国際的に著名なメディアアートのコンテストであるADAA(アジアデジタルアート大賞展)に応募して、審査委員から高い評価を受けて優秀賞を受賞した。
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Strategy for Future Research Activity |
まだ形を持たないIoTデザインに特化して研究を推進する。特に少子高齢化の社会課題に応えてデザイン思考による課題解決とデジタルファブリケーションによるプロトタイプ作りの実践を繰り返す。台湾やインドネシアなどでもIoTデザインの国際ワークショップも企画して共創デザインの実験的適用を推進する。
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Causes of Carryover |
理由:残額調整の精度不足 103円については事務用品購入などで処理する
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Research Products
(5 results)