2020 Fiscal Year Research-status Report
ものづくり立国・日本の新成長に資する日本美「侘び」を表現する工業デザイン造形研究
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17K00720
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杉本 美貴 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (00635047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 昌嗣 九州大学, 未来デザイン学センター, 特任教授 (20243975) [Withdrawn]
曽我部 春香 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (50437745)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 侘び / 日本美 / 美意識 / 造形 / ユーザーインターフェイス |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度に導出した侘びのデザイン要件について、① 5つの作為とそのデザイン手法についての妥当性、②電気製品の 造形とUIデザイン事例は侘びの美意識を表現できているか、③電気製品の造形と UIデザイン事例に独自性を感じるかの点について検証を行うために、デザイン要件に基づいて、電気製品の事例として電気ケトルとスマートフォンの操作などを想定したユーザーインターフェースのデザインを考案した。電気ケトルは3Dプリンターを利用して2種類のプロトタイプを製作、ユーザーインターフェイスは8つのアニメーションを制作した。 これらの事例を、侘びの美意識に関する有識者である、陶磁器がご専門で東京国立博物館や九州国立博物館の館長等を歴任され、現在愛知県陶磁美術館の総長である伊藤氏と、裏千家今日庵業躰部の米田氏にインタビュー調査を実施した。その結果、作為を5種類に整理し、それぞれのデザイン手法を導出したところに独自性があると大きな関心が得られた。一方で、デザイン手法として挙げている言葉については、侘びの理解度によって言葉の解釈が変わってしまう可能性が指摘された。デザイン事例は、もっと自然でさりげない表現を追求する必要があるが、概ね侘びの表現としての方向性は認められるなど、非常に有益なフィードバックを得た。 その後、インタビューで指摘された点を再考の上、電気製品とユーザインターフェイスの修正案を作成し、再度、伊藤氏と米田氏にインタビューを実施した結果から、導出したデザイン要件の妥当性が確認でき、侘びの美意識を表現しうることが明らかとなった。 2021年度はこれらの結果を整理し、論文、学会にて成果について発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染症による非常事態宣言等で出張や対面での調査が困難となり、有識者へのインタビューやユーザー評価等、研究成果の検証が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の初頭に、事例として作成した電気製品のプロトタイプとユーザーインターフェイスのアニメーションについて、日本人、外国人へのユーザー評価を行う。 それらの結果と前年度に行った有識者へのインタビュー結果を合わせ、論文としてまとめ広く公表する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症に伴う緊急事態宣言により、研究の進捗がやや遅れ、論文の執筆、投稿、学会発表が次年度に延期せざるえなくなったため。
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Research Products
(1 results)