2019 Fiscal Year Research-status Report
移住者住宅のサードプレイスを活用した対話促進型コミュニティデザインの有効性検証
Project/Area Number |
17K00732
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
坂倉 杏介 東京都市大学, 都市生活学部, 准教授 (90458935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前野 隆司 慶應義塾大学, システムデザイン・マネジメント研究科(日吉), 教授 (20276413)
保井 俊之 慶應義塾大学, システムデザイン・マネジメント研究科(日吉), 特別招聘教授(非常勤) (50567758)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コミュニティ形成 / サードプレイス / 集合住宅 / 地域の人と資源でつくる / 神山町 / 地域の未来への参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、徳島県神山町で建設が進められる町営の子育て世帯向け集合住宅(地域の手と資源でつくる集合住宅)が、地域住民や移住者のコミュニティ形成にどのような影響をあたえるかを実証的に研究する。移住政策の先行研究調査、町内の自治組織のヒアリングや文献調査に続いて、集合住宅プロジェクトの特徴を、地域の人と資源による建設、鮎喰川コモンというサードプレイス整備、考える会による運営の3点に整理し、その効果を検証する調査計画を完成させた。 2019年度は、前年度に行った周辺地域住民(集合住宅が建設される神山町神領地区に居住する住民約1600人、570世帯) に対する調査(日常的な暮らしの状況、社会関係資本、地域参加、情報や行動、主観的幸福度など生活の実態に関するデータを収集、有効回答330 部)を分析し、入居者および関係者への追加ヒアリング調査を実施した。 調査結果から、周辺地域住民の地域意識について、自分の仕事や活動を通じて地域の将来づくりに参加している意識の高さとネットワークの多さ、およびウェルビーイング指数の相関が明らかになった。入居者およびプロジェクトに参加する地域住民については、ネットワーク量に関わらず将来参加とウェルビーイングが高く、プロジェクトに関わることが地域の将来への参加意識につながり、地域での暮らしの充実感を得られていることがわかった。こうした調査結果について、学会発表および論文として報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、前年度の調査結果を踏まえ、これまでの研究状況を学術論文として公開することができた。3月に予定していた出張はCovid19の影響で中止とせざるを得ず、予定していた林業・建設関係者へのヒアリングは延期になったが、オンラインで研究ミーティングは継続しており、おおむね順調に進捗しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
住宅およびコモン(共有スペース)は、2020年度末に完成予定である。2020年度は、3期以降の入居者へのヒアリング、入居後1年以上経過した住民への追加ヒアリング、林業・建設関係者へのヒアリングを通じて、プロジェクトへの参加による地域意識の変化・関係性の変化をさらに詳細に分析する予定であるが、現地でのフィールドワークがどの段階で可能となるか、状況を見極めながら推進したい。また、集合住宅完成後に再度周辺住民への全戸配布調査を行う予定だが、建設工事の遅れによって本研究の期間内では実施が難しい状況である。代替策について検討したい。
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Causes of Carryover |
3月に予定されていた現地でのフィールドワークが中止になったため、その分の予算が未消化(次年度実施予定)となっている。
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