2017 Fiscal Year Research-status Report
日本酒産業を活性化する日本酒味わい表現と味わい表現変換法を科学的にデザインする
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17K00743
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
前田 初男 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (00229311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲谷 繁 兵庫医療大学, 薬学部, 准教授 (00242529)
塚本 効司 兵庫医療大学, 薬学部, 講師 (00454794)
石崎 真紀子 兵庫医療大学, 薬学部, 研究員 (20623979)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 日本酒 / 味わい表現 / 意味微分法 / GC-MS法 / NMR-DOSY法 |
Outline of Annual Research Achievements |
【味わい評価】平成28年度に実施した味わい評価予備実験の結果を因子分析した結果を踏まえ、16種類の形容詞対尺度を設定し直した。これらの形容詞対尺度を用いた意味微分法(SD法)により、改めて、日本酒15種類の味わいを評価した(20代25名、50歳以上26名)。現在、15種類全ての日本酒について評価が終わっていない研究対象者が存在する、つまり欠損データがあるため、味わい評価実験を継続実施している。なお、欠損データがある状態で、SPSSにより因子分析したところ、第一因子として4種類の形容詞対尺度が抽出できた。それらの形容詞対尺度における味わい評価スコアを、さらに、統計処理することにより、日本酒の味わいを表現するために最適な数種類の形容詞対尺度候補の抽出に取り組んでいる。 【成分分析】味わいを評価した日本酒15種類をバイアル内にて 40℃ で 10 分間加温し、その蒸気層を試料として用いGC-MS法により揮発性成分の分析を行った。その結果、3-メチル-ブタノール、酪酸エチル、酢酸イソアミル、ヘキサン酸エチル、2-フェニルエチルアルコール、オクタン酸エチル、酢酸2-フェニルエチルが再現性よく定量できた。これらの成分及びその含量に基づき、15種類の日本酒をグルーピングできることが明らかになった。現在、揮発性成分の含量と、16種類の形容詞対尺度を用いたSD法により得た結果との相関性及び同期性をSPSSにより精査している。 【自己拡散係数】日本酒15種類の拡散係数についてNMR-DOSY法による解析も実施した。それぞれの日本酒からは複雑なスペクトルが得られたため、日本酒の味わいの指標となるピークの選定に難航している。この問題点を克服するため、現在、NMR-DOSY法以外のNMR手法を活用することにより、個々の日本酒の味わいの指標となる物理量の精査も並行して取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本酒の味わい評価実験は、研究協力者の健康面ならびに安全面を考慮し、1回につき日本酒5種類を用いて全3回シリーズとして実施したため、評価実験開催日に参加できなかった研究協力者は日本酒15種類全てについて評価実験を終了していない。その結果、欠損データが存在し、それを補填するため、現在も月1回のペースで味わい調査研究を実施している。このSD法によるデータ収集に加え、NMR-DOSY法により得られるデータにおいて自己拡散係数の測定指標となるピークの選定に困難を極めていることが、現在、問題点となっている。しかし、平成30年度前期には、これらの問題点を解決し、計画通りに本研究を遂行できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
形容詞対尺度を用いたSD法による日本酒味わい評価スコアを統計処理ソフトSPSSにより統計処理(因子分析)することにより、日本酒の味わいを適切に表現できる数種類の形容詞対候補を精査抽出する。それと同時に、評価スコアと、日本酒の揮発性成分及びその含量との相同性及び同期性を解析(分散分析など)することにより、幾つかの成分とその含量により、日本酒の味わいを選定した形容詞対尺度上に位置づけできる科学的手法を確立していく。 一方、精査抽出した形容詞対尺度候補をふるいに掛けたり、これまでに得た結果を踏まえ目線を変えて新たに選択した形容詞対尺度候補を加味したりすることにより、形容詞対尺度を再構築するとともに、新たな日本酒15種類以上を用いて同様に検討することにより、形容詞対尺度を精査抽出する。 精査した形容詞対尺度を用いるSD法により28種類の色彩のイメージについても評価し、得られた評価スコアと、日本酒味わい評価スコアまたは揮発性成分とその含量における相同性及び同期性を解析(分散分析など)することにより、日本酒の味わいを色彩により表現できる科学的手法について検討していく。 NMR-DOSY法による自己拡散係数の測定については、再現性よくデータを得られる手法の確立に尽力していくとともに、日本酒の味わいと相関する物理量を他のNMR手法を用いて検索する。
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Causes of Carryover |
形容詞対尺度を用いたSD法による日本酒味わい評価結果において欠損データが存在すること、NMR-DOSY法による自己拡散係数のデータ収集に問題が発生しているなどから、日本酒味わい評価スコア、色彩イメージ評価スコア、日本酒揮発性成分及びその含量、そして自己拡散係数からなる全データを解析するために購入予定の高性能パソコンとそのパソコン用のSPSSを購入しなかったため、次年度使用額が発生した。平成30年度前期に欠損データや未取得データを収集し、後期には全データの相同性ならびに同期性をSPSSにより評価するため、高性能パソコンと最新のSPSSを購入予定である。
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Research Products
(1 results)