2021 Fiscal Year Research-status Report
A Study on the Environmentally Conscious Behavior for Sustainable Consumer Communities
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17K00747
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
木村 美智子 茨城大学, 教育学部, 教授 (70214898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 裕紀子 茨城大学, 教育学部, 教授 (00272740)
鄭 暁静 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (30774632)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 消費者市民社会 / 環境配慮意識 / 環境配慮行動 / SDGs / ESD / サスティナブルファッション / 家庭科教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
環境配慮意識・行動に関わるゲーミング・シミュレーションの設計・実施と生活知識・スキル獲得のための教育実践に関する研究成果は以下のとおりである。 (1)環境配慮意識と行動に関わるゲーミング・シミュレーションの設計と実施:SDGsの隆盛の中、サスティナブルファッションへの関心が高まっている。しかしながら、環境省のサスティナブルファッションに関する調査結果によると、不用となった衣服の70%近くがゴミとして廃棄されていることがわかっている。背景には、海外から輸入されるファストファッションの拡大と、以前は身近だった衣服の「おさがり・お直し」の文化が廃れていることなどがあると示唆される。こうしたことから、衣服の廃棄率は増加する一方であり、衣服を捨てずに長く着用する工夫が身近に行われていないのが実情である。環境配慮への関心が高い問題であっても、具体的な環境配慮行動につながっていない「衣服の廃棄問題」を取り上げ、衣服を単なる消耗品としてではなく、なぜ大切にする必要があるのかを問う「衣服との新しいつきあい方(新しい関係性)」をテーマとしたゲーミング・シミュレーションを設計・実施し、環境配慮意識・行動に関する詳細な分析を行った(木村)。 (2)ESD実践のための要因分析と課題:家庭科教員のESDに対する関心と理解、ESDの授業実践等について行った実態調査の結果を踏まえ、ESDを意識した授業実践が進まない要因について分析を行った(佐藤)。 (3)教員養成カリキュラムにおけるSDGs導入の検討:大学教員を対象として大学における授業実践例、SDGsと家庭科・家庭科教員に対する考えについてインタビュー調査を実施し、詳細な分析を行った(鄭)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国内においては、対面とオンラインのハイブリッドでゲーミングを実施し、ゲーミング・シミュレーションの有効性を分析できるデータが得られたが、韓国でのゲーミングが進んでおらず、日韓の比較分析を行うという当初の計画が遂行できていないため
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Strategy for Future Research Activity |
国内では、対面とオンラインのハイブリッド形式でゲーミングを実施し、有効性を検証・分析を進めている。この結果を踏まえて韓国でのゲーミングを実施する。ゲーミングでは以下の点について、日韓の比較を行う。 (1)環境配慮意識形成の土台となる日本および韓国の「風土性」を比較分析する。 (2)ゲーミングを通して日韓の環境配慮意識の特徴を分析する。 (3)消費者市民の環境配慮識を培う教育手法を提案する。
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Causes of Carryover |
2022年度に韓国でのゲーミングをオンラインで実施するための費用として、翻訳料、通信費などが必要である。また、ゲーミング実施に関する専門的知識提供への謝礼、調査実施費用、調査結果の整理等への謝金、研究発表のための旅費を予定しており、こうした活動に対して助成金を使用する。
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Research Products
(2 results)