2018 Fiscal Year Research-status Report
乳児の哺乳状況改善因子の検索~母親の授乳方法と乳房管理と乳児の口腔発達から
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17K00761
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
廣瀬 潤子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (40381917)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 授乳 / 食事調査 / マッサージ / 自覚症状 / 哺乳 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、乳房及び授乳時の母親の自覚症状、乳房マッサージ前後の乳汁成分について検討を行った。 自覚症状については、母乳育児支援助産院に通う授乳婦101名に対して、体組成測定、簡易型自記式食事歴訪質問票(BDHQ)による食事調査、授乳状況に関するアンケートを実施した。マッサージ前後の調査では、54名の授乳婦に、基礎情報のアンケート、BDHQ、マッサージ前後において自身の母乳の風味に関するアンケート、母乳採取を実施した。双生児および低出生体重児、巨大児出産の場合は解析から除外した。本研究は、公立大学法人滋賀県立大学研究に関する倫理審査委員会の承認を受け実施した(578および622号)。 授乳状況に関するアンケートの乳房状態の質問項目において、「すっきりしない、重く感じる」と回答した割合が45%と最も高かった。「痛みがある」は34%、「張っていない」および「湧いてくる感じがしない」はともに32%、「出が悪い」は26%であった。授乳時に観察される乳児の様子では、乳房トラブルがある場合に多く見られる「眠りながら飲む」と、授乳が上手くいっているときに見られる「機嫌がいい」がともに87%と最も観察され、これらは約70%において両乳房の授乳で観察されていた。つまりやしこりなどの乳房トラブルの有無において、母親の年齢、乳児の月齢、1日の授乳回数には差がなかった。 自身の母乳の風味に関しては、マッサージの前後でどちらが強く感じられたかを調査した。酸味は、73.6%の授乳婦においてどちらでもないと回答し、マッサージによる変化が小さいと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、母乳育児トラブルが起こる要因についての調査と、母乳育児トラブルを改善するために広く実施されている乳房マッサージによる母乳成分や風味の変化の2つの課題について実施し、成果を発表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度実施の調査について、さらに調査参加者を増やすことで、母乳育児トラブルを未然に防ぐ方法の提案を行う。 乳房マッサージによる母乳成分の変化について、母親の体組成についてのデータが未収集だったため、調査項目に追加する。また、本年度に採取した母乳中成分の解析を進める。
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Causes of Carryover |
当該年度には成分分析用の母乳採取は行ったが、成分分析を着手し始めたところであった。次年度以降に成分分析を引き続き行う。
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