2019 Fiscal Year Research-status Report
乳児の哺乳状況改善因子の検索~母親の授乳方法と乳房管理と乳児の口腔発達から
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17K00761
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
廣瀬 潤子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (40381917)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 授乳 / 乳児 / 母乳 / 乳児用液体ミルク |
Outline of Annual Research Achievements |
母乳育児支援助産院に来院した授乳婦を対象に、母子の基本事項に関するアンケート、授乳に関するアンケート(自己認識)、母乳成分解析を行った。公立大学法人滋賀県立大学人に関する倫理審査委員会の承認を受け実施した。 自己認識では、対象者の98%は授乳の際に何らかの問題を感じており、どちらの乳房から飲ませるかでは、先に飲ませる側と母乳の出が悪いこと、後に飲ませる側と子の満足感が高いことに関連が見られた。初産婦は子側の授乳の不快感を経産婦より多く感じ、母および子の授乳の不快感の項目の多くで、感じない群は月齢が高かった。母乳中成分濃度と乳房の大きさの違い、どちらを先に飲ませるか、利き手とは関連がみられなかった。 母親が試行錯誤しながら授乳している様子がうかがえた。授乳についてほとんどの母親が何らかの問題を感じており、月齢の小さい場合に不調を感じやすいため、早期に支援が必要と考える。 乳児用液体ミルクについて、インターネットサイトの検索結果上位100件の情報(2019年4月~11月)では、調査期間中を通して、災害との関連ついての情報が最も多く、肯定的な意見が約7割であった。 授乳婦の乳児用液体ミルクの認知度は、聞いたことがない1.8%、購入したことがある28.6%であった。購入経験は母親の年齢との関連はみられなかった。乳児用液体ミルクを知った情報源はテレビ・ラジオ65.1%、実物を見て32.1%、インターネット21.7%で、産科での情報提供は1.9%であった。購入した目的は、災害時など緊急時用、外出時の利用で多く、また夜間など決まった時間での利用は6.4%であった。乳児用液体ミルクで気になる点は、保存料や添加物60.7%、衛生面22.3%、栄養面8.9%となっており、発売から半年の時点で、授乳婦の認知は高いが、乳児用調整液状乳やその利用方法についてさらに情報提供が必要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
授乳婦の授乳に対する認識や授乳での悩みなどのアンケートを実施し、それとあわせて、母乳成分や母親の食事摂取状況、身体状況なども調査できており、おおむね順調に解析が進んでいる。また、2019年度より販売が開始された乳児用調整液状乳についての認識や情報提供についても調査が終了し、学会発表等を終えている。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調に調査が終了している。これまでに調査が終了した内容を、2020年度には学会発表および論文として報告予定である。 また、2019年度までに調査した内容を補強するための調査を実施し、報告を目指す。
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Causes of Carryover |
調査は順調に行われており、2020年度は成果報告のために補強するための調査の継続、学会発表、論文投稿にかかる費用が必要となる。
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