2020 Fiscal Year Research-status Report
乳児の哺乳状況改善因子の検索~母親の授乳方法と乳房管理と乳児の口腔発達から
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17K00761
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
廣瀬 潤子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (40381917)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 授乳 / 母乳 / 左右差 / 乳児 |
Outline of Annual Research Achievements |
授乳の負担感を軽減するための母乳哺育支援方法の検討を目的として、母乳育児支援助産院に通う授乳婦218名を対象に、簡易型自記式食事暦法質問票による母親の食事調査、身体計測、助産師による乳房観察、採取直後母乳温度測定、母乳中成分測定(ヒト乳成分分析装置Miris HMA)結果の解析を実施した。 本年度は、新型コロナウイルス感染症対策による府県をまたぐ移動自粛等があり、新たな対象者への調査の実施件数はわずかとなった。 解析対象者の基本情報として、母親は、33.46±4.15歳、初産婦143名(65.9%)、乳児は、月齢5.48±5.23か月、男児104名(47.9%)、女児113名(52.1%)、授乳状況は、混合栄養48名(23.0%)、母乳栄養161名(77.0%)であった。 授乳婦自身による乳房の状況アンケート調査では、現在乳房状態に左右差を感じている人は、158名(73.1%)で、妊娠前に乳房の左右差を感じている場合に授乳期にも左右差を感じやすく、経産婦では、前回の授乳時にも左右差を感じていた人は現在の授乳でも左右差を感じていた。一方、母親の利き手と授乳時の乳房の左右差の関連はみられなかったが、子どもの向き癖がある場合に授乳期の乳房の左右差ありと回答する割合が有意に多かった。また、授乳に関するアンケートでは、もっとも左右差があった項目は、「おっぱいがスッキリしない、重く感じる」であった。 母乳中成分(脂質、粗タンパク質、純タンパク質、炭水化物、全固形成分)は、母乳中成分濃度と母乳温度に関連はみられなかったが、母乳中脂質濃度の左右差は、母乳の左右の温度差と正の相関がみられた(p<0.05)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症対策により、移動自粛等があり、調査を実施することがほとんどできなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、新型コロナウイルス感染症対策が必要で移動自粛等が続いているが、連携助産院との連絡を密にして、調査の実施を進める。またこれまでに調査実施した内容の解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症対策として、移動自粛等が行われ、調査が実施できなかったため、次年度使用が生じた。 2021年度も引き続き新型コロナウイルス感染症対策として、調査実施が制限される可能性もあるが、共同研究先の助産院との連携を強化し、調査を実施していく。 また、同時に、これまでのデータの解析を行い、学会発表および論文作成など成果報告を行っていく予定である。
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