2020 Fiscal Year Research-status Report
A 40-year follow-up study of family structure and intergenerational relationship on returning home of married child in a rural area in Japan
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17K00770
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| Research Institution | Wayo Women's University |
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Principal Investigator |
佐藤 宏子 和洋女子大学, 家政学部, 教授 (60165818)
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2017-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 追跡研究 / 農村家族 / 直系家族 / 世帯形成 / 世代更新 / 結婚コーホート |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，日本有数の高級茶の生産地である静岡県の中山間地域において，1982年から2014年までの32年間に農村直系制家族に生じた世帯形成と世代更新の世代的変化を明らかにした．これまでに1982年，1993年，2005年，2014年の4時点パネルデータ，239人（239世帯）を「MC-1」（1945～54年に結婚），「MC-2」（1955～64年に結婚），「MC-3」（1965～79年に結婚）に区分し，結婚コーホートによる比較分析を行った．本研究から次の知見が明らかになった．
第1に，2014年の次世代更新率は「MC-1」70.1％，「MC-2」37.9％，「MC-3」26.0％で，「MC-1」は「MC-2」と「MC-3」よりも有意に高い．第2に，「MC-1」の世帯形成には直系的な世代継承が維持されているが，「MC-2」と「MC-3」では直系的な世代連鎖の持続が困難になっている．第3に，世帯形成の主要経路は，「MC-1」では「子世代更新」へ向かう次世代更新の経路であるが，「MC-3」では「更新未確定」に留まる経路に変化している．第4に，世代更新に影響を与えている要因についてロジスティック回帰分析を行った結果，世代更新を有意に進める要因は「MC-1」（1982，1993，2014），「農業を子どもに継がせようと思っている」（2005，2014），世代更新を困難にする要因は夫の出身地「岡部町」（1993，2005），世帯職業「専業農家」（1993），長男の同居扶養規範「どちらともいえない」（2014）である．第5に，地域社会の産業構造や就業構造の変化，あとつぎの結婚難の深刻化によって世代更新が困難になる中で直系制家族を志向し続けると，未婚のあとつぎが親世代と同居する「更新未確定」持続パターンが主要な経路となり，世帯形成は停滞する．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2020年度には、日本有数の高級茶の生産地である静岡県の中山間地域における1982年，1993年，2005年，2014年の4時点パネルデータ239人（239世帯）の結婚コーホート分析の結果をまとめ、「農村直系制家族における世帯形成と世代更新の世代的変化－長期追跡研究より－」，日本家政学会誌Vol.72, No.2, 2020, pp.1-15 を発表することができた。また、1983年から2014年の32年間の岡部町長期追跡研究のリーフレットを作成し、日本家政学会誌の論文とリーフレットを研究者、行政関係者、調査協力者など330名に送付し大きな反響を得た。
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| Strategy for Future Research Activity |
2021年度は本研究の最終年度である。2021年には、4時点パネルデータを用いて「激動期を生きた農村女性40年間のライフコース」を分析する。そのうえで、日本を代表する茶生産地の激動の40年間を報告書にまとめる。報告書には、本調査地域の調査研究によって明らかになった農村女性の生活構造・老後意識の変化、生活の共同性と分離の状況、世代間関係、生活文化の断絶と継承、農村女性のライフコースに関する学術論文、調査票や調査資料などを収録する。また、調査地域における住民・行政担当者・教育関係者・福祉関係者などを対象とする研究報告会を開催する予定である。さらに、研究成果を日本家政学会、日本家族社会学会、国際教養学会において報告する。
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Research Products
(2 results)
