2022 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of smart textiles for realizing safety and comfort
Project/Area Number |
17K00775
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
竹本 由美子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (90581926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 明日香 四天王寺大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (30413446)
澤渡 千枝 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (70196319)
小野寺 美和 甲南女子大学, 人間科学部, 准教授 (90523762)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | スマートテキスタイル / プラズマ加工 / 蓄光素材 / 蒸れ感 / 視認性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、着用者が安全で快適な衣環境を得ることができる「スマートテキスタイル」の実用化を目指し、災害時や夜間歩行の安全性と共に快適性も備えた衣服設計を試みるため、自ら発光する「蓄光素材」に低温プラズマ加工を応用し、熱・水分移動特性のコントロールを試みた。 蓄光布に様々な条件でプラズマ処理をおこない、空気プラズマ処理によって撥水性を有する蓄光布を親水化させることができた。また、これまでに使用してきた蓄光糸よりも極細の蓄光糸とポリエステル糸で製織した平織、綾織、朱子織の蓄光織布を用いて、親水化が織組織によって異なるかを確認した。プラズマ処理条件によっては織組織で親水性が低下したが、条件を変えて処理することで、どの織組織でも親水性の付与が可能であった。このプラズマ処理蓄光織布の視認性について検証したところ、処理条件を調整することで、視認性に影響を与えることなく親水化も可能であることがわかった。 これまで、蓄光布を衣服材料へ用いた場合の「蒸れ感」を評価する被験者実験の実施を検討していたが、コロナ禍の状況を鑑み、主観的評価実験ではなく客観的にプラズマ処理蓄光織布の熱・水移動特性を検証することにした。プラズマ処理蓄光織布の透湿性及び吸湿性、吸水性、熱伝導性などから、プラズマ処理による親水化によって、「蓄光素材」に衣環境を快適にコントロールできる新しい機能性を付与できる知見を得た。蓄光織布の表面のみではなく両面にプラズマ処理をおこなうことで、さらに蒸れ感を軽減できる可能性が見い出せたが、外衣として用いる場合には、表面は撥水し裏面は親水する表裏異なる特性を持たせる方が好ましい場合もある。このように、様々な環境に応じて衣環境を快適にコントロールできる「光るスマートテキスタイル」の研究成果が得られた。
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