2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of a monitoring system based on the combined use of environmental sensors and a mobile robot
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17K00776
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐竹 純二 福岡工業大学, 情報工学部, 准教授 (60392726)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 見守りシステム / 移動ロボット / 呼吸推定 / Kinectセンサ / 距離画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
環境センサと移動ロボットを連携させ、見守りを行うシステムの開発を行っている。具体的には、設置したカメラから得られる画像を用いて人物を発見・追跡し、人物の姿勢や動きをもとに状況を確認する。そして、人物が倒れ、より詳しい状態の推定が必要であると判断された場合には、移動ロボットが自動的に人物の傍へ行き、呼吸状態などのバイタルサインの確認や通報を行うことを想定している。 平成29年度の実績としては、指導学生の卒業研究として次の6つのテーマについて研究開発を行った。①天井カメラを用いた転倒検知:部屋の上部にKinectを設置し、人物の頭部の高さ情報を用いて転倒を検知できるようにした。また、人物の姿勢情報からロボットの移動目標座標を自動的に計算した。②通信機能の実装:天井カメラや移動ロボット、通知端末などで情報のやり取りを行うため、C言語のTCP/IP通信プログラムを用いて実際に画像や座標情報などを送受信する機能を実装した。③地図作成方法の検討:ロボットの自律移動を実現するための地図作成方法について検討した。レーザ距離センサを用いて実際に研究室内の地図を作成し、ノイズの影響を抑える方法を実装した。④カメラ方向制御:人物の状態観測を行う際にカメラを適切な向きに制御するための方法について検討した。LEGO EV3を用いてサーボモータを制御し、カメラを制御する機構を構築した。⑤呼吸判定方法の改良:距離画像を用いて胸の動きから呼吸を推定する方法を改良した。距離変動の波形から極大と極小を抽出し、一般的な呼吸の特徴を考慮して、より安定に判定する方法を実装した。⑥体温測定方法の検討:赤外線サーモカメラを用い、見守りロボットのための非接触な体温測定方法を検討した。カメラの特性を調査し、表面温度画像から人物の体調を推定する方法について検討した。 また、これまでの研究成果をまとめ、査読付き論文誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、見守りシステムの試作を行い、天井カメラを用いた転倒検知や移動ロボットによる呼吸推定、各機器の簡単な通信機能などの個別モジュールを実装した。今後はこれらを連携させて見守りシステム全体の自動化を目指しつつ、個々のモジュールの改良を行う。特に各機器で提供されているドライバの影響により、各モジュールの開発環境(OS、プログラミング言語)がバラバラであるため、統合したシステムを実現するためにはモジュール間の情報通信機能を実装する必要がある。 また、移動ロボットを用いた呼吸推定の機能について、これまでの研究成果をまとめ、査読付き論文誌Journal of Robotics and Mechatronicsに投稿した。今後は天井カメラなどの環境センサと移動ロボットを連携させた見守りシステム全体の開発を進め、学会発表や論文投稿を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、構築したシステムを用いて実証実験を行い、さらにシステムの改良や高機能化を行う。 見守りシステムの自動化を実現するためには、移動ロボットの自律移動が必要である。現在のシステムでは特に移動ロボットの自己位置推定と移動経路計画の機能が不十分であり、平成30年度には特にこれらを改良しながら、安定な見守りシステムの開発を行っていく。 また、これまでは人物の姿勢推定や状態計測のための距離画像取得にMicrosoft社のKinectセンサを使用していたが、2017年10月に製造終了となってしまった。しかし、最近では、より上位機能を持つLiDARセンサが車の自動運転やスポーツ映像解析などの分野で広く使用されるようになってきており、丁度、Velodyne社の全方位LiDARセンサ「VLP-16」が2018年4月から値下げされることになった。そこで、今後はこれを用いて3次元距離データを取得し、移動ロボットの周囲環境認識や人物の状態推定などを研究していく予定である。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、カメラの方向制御にサスティナブルロボティクス社製パンチルト制御ユニット「PTU-D46」を用いる予定であったが、より小型で安価なLEGO社製の制御ユニット「EV3」を用いたために予算に余裕が生じた。 現在、査読付き論文誌に1件投稿中であり、査読の結果、採録が決まればその投稿費に充てる。 また、全方位LiDARセンサ「VLP-16」が2018年4月に120万円から65万円に値下げされることが決まったため、次年度になってから購入する。
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