2017 Fiscal Year Research-status Report
GPSによる高齢者の外出行動の実態把握と外出を起点とした地域住環境に関する研究
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17K00802
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Research Institution | Kyoto Notre Dame University |
Principal Investigator |
竹原 広実 京都ノートルダム女子大学, 現代人間学部, 教授 (20298706)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 外出環境 / 高齢者 / 社会活動 / 交流 / 住環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
事前知識と情報の拡充を目的とし、地域福祉、高齢者健康医学、地域環境に関する図書を購入、国会図書館を利用し資料を収集した。5月に日本家政学会大会への参加、9月に日本建築学会大会への参加による情報収集と意見交換を行った。また調査対象地区の決定に関して、K市S区の社会福祉協議会と打ち合わせを実施し協議を行った。質問紙による外出環境評価調査への調査協力可能な自治会の活動状況や対象地に関する情報、助言を得た。当初計画していた地区に不都合が生じたため、地区を変更することとなった。社会福祉協議会より、新対象地は利便性は低いものの、本課題の中心である「地域交流」が自治会を中心として盛んな地域であるとの助言をうけ、決定した。3月に外出環境評価調査の対象地へ赴き、現地調査を実施した。交通利便性については、日常生活において頻度が高い行先であろう店舗や郵便局、バス停、鉄道駅の位置やアクセスの状況、地区全体の整備状況、住宅状況、集会所や掲示物の種類の確認など行った。掲示物より、地元企業の運動場を開放してのグラウンドゴルフ大会の開催があることなどが明らかとなった。このことから企業と地元住民との連携ができていることが推測された。また趣味活動の掲示物も目につくことから、必要活動以外の交流のある社会活動が活発に行われていることが窺われた。外出環境評価調査に用いる質問紙の作成を開始した。また、外出行動実験に用いるための機器の選定を実施した。2種の機器を試用したが満足のいくデータを得ることができないため、引き続き別の機器を入手して試用、検討することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定をおおむね達成している。外出行動実験の機器について満足のいくものを見つけ出していないため、当初平成30年度に実施予定であった外出行動実験を平成31年度に、平成31年度実施予定であった外出環境評価調査を平成30年度に実施することに変更した。質問紙による外出環境評価調査の対象地について、当初計画していた地区に不都合が生じたため変更することとなったが、協力者である社会福祉協議会による調整が円滑であったため、他地域に速やかに変更を行い研究を継続実施している。これまでに行った事柄は、事前知識と情報の拡充を目的とし、地域福祉、高齢者健康医学、地域環境に関する図書、資料を収集。日本家政学会大会及び、日本建築学会大会への参加による情報収集と意見交換の実施。京都市左京区社会福祉協議会と打ち合わせを実施し、外出環境評価調査への調査協力可能な自治会の活動状況や対象地に関する情報、助言を得た。外出環境評価調査の対象地へ赴き、現地調査を実施した。外出環境評価調査に用いる質問紙の作成を開始した。(現在継続中)外出行動実験に用いるための機器の選定を実施した。2種の機器を試用したが満足のいくデータを得ることができないため、引き続き別の機器を入手して試用、検討することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、I地区の2000世帯を対象に、質問紙を用いた外出環境評価調査を実施する。アンケートの内容は、地区の住環境に対する35項目について満足度と要望の度合いと、外出行動の実態(普段の生活における外出回数、頻度、行先、交通手段、所要時間)について、現在の地区に今後も住みつづけたいかどうかの意向とその理由などである。対象地自治会と連携し、7月に調査を開始する予定である。8月~12月に調査データを分析し、1月~3月は日本家政学会及び日本建築学会への報告準備をする。また3月をめどに対象地自治会への報告会も実施する。
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Causes of Carryover |
当初、外出行動実験のための準備をする予定であり、実験使用のためのGPS端末機器を数種購入して試用したが、現状販売されている機器は満足のいくデータが得られなかったため、今年度の購入を見送り、次年度以降新機種を入手し再検討を行うこととした。代わりに平成31年度実施予定であった、住環境評価調査を前倒しして実施することとし、研究の遂行に若干の変更が生じた。旅費については学会の開催地が近郊であったため科研費から支出していない。
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