2020 Fiscal Year Research-status Report
GPSによる高齢者の外出行動の実態把握と外出を起点とした地域住環境に関する研究
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17K00802
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Research Institution | Kyoto Notre Dame University |
Principal Investigator |
竹原 広実 京都ノートルダム女子大学, 現代人間学部, 教授 (20298706)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 住環境 / 外出行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
すでに調査を行ったデータを精査、分析を進め、結果の公表のための論文を執筆しているところである。 日本建築学会全国大会で発表予定の研究成果の内容は、次の通りである。京都市左京区社会福祉協議会の協力を得て紹介されたI地域の住民を対象に、住環境評価と外出行動、地域への関心に関する質問紙調査を行った。結果、個人の日常の生活行動である外出頻度が多いものは、地域活動の参加度も高いことが明らかとなった。また地域の居住継続意向と外出との関連を検討した。外出を必要活動、任意活動、社会活動に分類して検討を行ったところ、任意活動と社会活動の頻度が多いものは居住継続意向が高いという関連が認められた。また、外出(屋外活動)の量と年齢の関連について検討を行ったところ、外出量の総数は年齢と反比例の関係であり、必要活動も同様に年齢と反比例の関係であった。しかし任意活動及び社会活動は年齢とともに割合が増加する傾向が認められた。このことから加齢に伴い、外出の質が変化する様子が窺われた。また外出に当たり「目的地までの経路を考え、外出をためらったことがあるか」と外出量の関連を検討した結果、任意活動と社会活動の量との間に有意差が認められ必要活動は有意差は認められなかった。外出を躊躇する要素の数に着目したところ、要素が1つと2つ以上の間に有意差は認められず、屋外環境において、外出を妨げる要素の数の多少にかかわらず、1つでもあることが問題であることが明らかとなった。以上、私的な生活行動の外出行動が、住民交流や地域への関心につながること、それを妨げない屋外環境が重要であることを明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
購入を予定していた測定機器の入手が困難となったこと、またオンライン授業の準備と実施に時間がとられ、研究に取り組む時間を確保できなかったことから、予定していた環境測定を実施できなかった。そのため今年度は前年の調査の分析と論文化に先に着手をした。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れている環境測定を可能な範囲で実施する。これまでの調査結果を日本建築学会の全国大会において次年度に発表を行う。また現在執筆中の論文を学会誌に投稿し、公表する。
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Causes of Carryover |
予定していた測定機器の入手ができなかったことと、オンライン授業への移行にともない授業準備と授業に忙殺され、研究業務が遂行できなかった。次年度、早急に機器を入手し遅延している研究活動に着手する。また、論文を学会誌に投稿し公表するために必要となる経費に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)