2018 Fiscal Year Research-status Report
視環境設計のための室内仕上げ材のテクスチャーの定量化
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17K00804
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
北村 薫子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (80319855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 芳樹 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (30189071)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 質感 / テクスチャー / 仕上げ / 建築 / 輝度分布 / 画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
建築内外装仕上げ材から代表的なテクスチャーを試料として選定し,表面のテクスチャーを定量的に把握するため,シャッタースピードを変化させた撮影画像から輝度画像を作成した。また,これらの試料の視覚的質感を把握するため,2つの試験片試料(70㎜×70mm)の組合せを作成し,それらに対する一対比較法による質感評価実験から,粗さ,光沢,嗜好,調和性を求めた。さらに,これら試料を室内仕上げ材とした際の空間内の評価を予測するため,内装を装備する縮尺模型を作成し,同様に評価させた。これらの結果から,固有の色彩を有せず,かつ濃淡模様のあるテクスチャーは,他のテクスチャーと調和しやすいことが示唆された。さらに,試験片試料では質感の差異を被験者に評価させるには十分な習熟が必要であること,空間模型に装備して,部位を想定できる状態での評価が望ましいことがわかった。 また,無彩色に近い内外装仕上げで,かつ,テクスチャーを演出する光環境を想定した実建築を対象として複数選定し,実測調査を行った。白漆喰に表面仕上げを施す仕上げが多く,鏡面光沢度G(60),G(20)いずれも1~3程度で低光沢であった。室用途に応じた測定位置,および明視距離からの輝度画像から,表面の粗滑の程度は,ある程度の面積における輝度分布の変化と対応して把握できる可能性があった。現在,得られた視距離と撮影面積の関係から,実空間におけるテクスチャーの定量的測定手法を整理している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
撮影した輝度画像の解像度が粗く,表面のテクスチャーをとらえることに難しさがあった。現在は,ピクセルごとに輝度データを出力する手法がわかったことから,生データを用いて輝度画像を再構成できる見込みがたっているが,色度データを出力できないことから,色情報を含んだ試料についてどのように解析するか試行錯誤している。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に行った試験片試料による質感評価では,無彩色試料の場合に評価しやすく調和しやすいことが示唆されたこと,および実建築空間におけるテクスチャー測定では,白漆喰の仕上げが多かったことから,まず,研究代表者は,無彩色を中心とした内外装試料を対象に研究を進める。同時に,輝度解析で色度データを扱う技術について,研究分担者および研究協力者を中心に検討を進める。
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Causes of Carryover |
試料や実空間のテクスチャーを撮影した輝度画像を用いて空間のシミュレーションを行うにあたり,必要なスペックをもつPCおよび関連部品の選定が遅れたため,翌年度への繰り越しとした。4月から必要なスペック有する一式を検討および決定し,すでに購入手続きを行っている。
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