2019 Fiscal Year Research-status Report
高齢期に対応した多世代共生型集住(コレクティブハウス)の有用性に関する研究
Project/Area Number |
17K00806
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
大橋 寿美子 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (40418984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 暢子 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (90183954)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コレクティブハウス / 高齢期 / スウェーデン / 供給方式 / 住宅運営 / 入居者選定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は北欧の先進事例の分析をもとに、若い人から高齢者まで共に暮らし、高齢期まで安心して住み続けることができる多世代での共生型集住コレクティブハウスの住運営システムのあり方を示すことを目的としている。 令和元年度は、①スウェーデンにおける住宅政策および福祉政策を背景としたコレクティブハウス形成過程および供給方式と運営の現状の把握、②スウェーデンにおけるコレクティブハウスの住宅供給方式の現状と傾向の把握を行った。 ①については、スウェーデンの住宅政策の流れ(「国家の家」構想1928年→自治体による住宅供給体制1942年→「ミリオンプラン」1960年代→住宅供給の民営化1990年代)を把握した。またコレクティブハウスの供給は住宅政策の一部に位置づけられることはなかったが、現在は住選択の一つに上げられ、コレクティブハウスなどの「共同生活型住居」が社会的支持を得られる素地が整い始めてきたことが明らかになった。またスウェーデン社会におけるコレクティブハウスの成立要因には、協同組合思想を基礎として高齢でも独立した生活を維持する社会習慣と支える社会サービスシステムがあること、が挙げられる。 ②については、スウェーデンにある全コレクティブハウス58件を対象として、建設状況や供給方式など現在の実態と傾向を明らかにした。コレクティブハウスは、ストックホルム市に多く点在しているが、イエテボリなど地方都市にも点在している。また適正とされる20~50世帯規模が多いが、1980年代に建設されたものは高齢者施設などを併設している大規模なものが多い。さらに供給方式は、事業主と入居者が直接契約する方式や、居住者組合が事業主から居住権を購入する方式、事業主から居住者組合が一括借り上げ居住者組合が居住者に居住権を転貸する方式などの様々な方式が出てきていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
やや遅れている理由は以下である。 昨年度中に現在までの研究成果をとりまとめて学会誌に投稿する予定であったが、コロナウイルスの影響などで、訪問ヒアリング調査が実施できずデータ収集と分析が終了していないため、論文作成が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
スウェーデンでのコレクティブハウスの調査結果をもとに、日本型の高齢期に対応した共生型集住(コレクティブハウス)の住運営システムや供給方式について、日本のコレクティブハウスの居住者と意見交換を行いながら、検討し提案を行う。 また、現在までの研究成果を、日本家政学会、日本建築学会などに投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度中に現在までの研究成果をとりまとめて学会誌に投稿する予定であったが、コロナウイルスの影響などで、訪問ヒアリング調査が実施できずデータ収集と分析が終了していないため、論文作成が遅れている。そのため、研究成果をとりまとめた論文を次年度に投稿するため、要旨などの英文添削料および論文投稿料として使用する予定です。
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Research Products
(8 results)