2020 Fiscal Year Annual Research Report
RESEARCH ON EFFECTIVENESS OF MULTIGENERATIONAL-COLLECTIVE HOUSING FOR ELDERLY
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17K00806
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
大橋 寿美子 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (40418984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 暢子 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (90183954)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高齢期 / コレクティブハウス / スウェーデン / フェルドクネッペン / 共生型住宅 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である本年度は、以下の2つのことを行った。 一つ目は、日本のセルフワーク型のコレクティブハウス(以下CH)3事例(CHかんかん森、CH聖蹟、スガモフラット)を対象事例として、現在の事業方式と暮らしの運営について居住者へのヒアリング調査から現状を把握した。かんかん森では居住者有志による株式会社が事業主から一括借り上げし居住者に転貸していた。株式会社の主な業務は入居者募集である。また協働で行うコモンミールなどの暮らしの運営は、居住者全員で構成される居住者組合が担っていた。現在までに子どもの減少対策として家賃の子ども割の実施や外部サービスを一部利用する合理化するなど、時々の居住者構成やライフスタイルに合わせ変化させながら、共生居住の生活の質を継続してきたことがわかった。また他2事例の事業方式は、NPO法人が建物を所有する事業主と業務契約し入居者募集や企画・居住者コーディネートを行い、賃貸契約は事業主と居住者が個々に直接結んでいた。これらはかんかん森と異なる点であった。暮らしの運営は、かんかん森同様に適宜検討し、変化しながら質の維持や向上に取り組んでいた。しかしながら3事例ともに現在は高齢期のための特別なしくみづくりはなされていないことが明らかになった。 二つ目は、昨年度までに行ったスウェーデンの先進事例や日本の事例による住運営の実態調査結果を踏まえた上で、日本の高齢期に対応したCHについて検討を行った。現在日本のセルフワーク型CHは多世代型のみであるが、スウェーデンにみられた40歳以上の人が暮らす熟年型での居住者間のサポートの循環が円滑であったことから、日本においても熟年型CHを提案する。さらに、良質で継続したコミュニティによる暮らしの運営を維持していくためのバランスの良い居住者構成(男女・年齢・リーダー)を実現する「居住者選定を行うしくみづくり」が必要であろうと考える。
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