2018 Fiscal Year Research-status Report
卵黄リポタンパク質不飽和脂肪酸2成分系エマルションの安定性に関する研究
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17K00812
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
島田 玲子 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (60331451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 茂昭 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (80410223)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 溶き卵 / クッキー / 色 |
Outline of Annual Research Achievements |
焼き菓子やパン生地の表面に塗る溶き卵はドリュールと呼ばれ, 見栄えの良い焦げ色や照りをつけるとともに, 乾燥を防ぐ働きがあると言われている. 一般的にドリュールは刷毛を用いて一つずつ塗布していく. この作業は, 手間や時間がかかり, 割った卵は保存がきかず, 必要量のみを利用することが困難であるなど課題が多い. これらの課題を解決する携行性, 保存性, 調理性に優れたものが望まれており, 粉末卵を用いたスプレータイプのドリュールが適していると考えた. 本研究では, 液卵の代わりに粉末卵を使用し, ドリュール様の物理化学特性を有する配合割合を明らかにするために, 水, 液全卵, 液卵黄, 粉末全卵, 粉末卵黄を用いて調製したドリュールをクッキー生地に塗布し, 焼成試料における品質 (表面色, 形状, 硬さ, 水分活性)を評価することを目的とした. 測色色差計(カラーリーダー CR-20, コニカミノルタ株式会社)を用い, 室温にて試料表面の色相としてL*値(明度), a*値(赤み度), b*値(黄み度)を測定した. 焼成前の試料と比較し, 焼成後の試料はL*値(明度)が高くなる傾向がみられた. これは加熱による卵に含まれるたんぱく質の変性や, 色素の熱分解に起因すると考えられた. 溶き卵の固形分率と色相の関係については, 固形分率が大きいほどL*値が減少し, a*値(赤み度)とb*値(黄み度)が増加する傾向がみられた. 色相の変化は, 卵の色の主成分であるカロテノイドのキサントフィル量が関与していると考えられた. また, 液全卵塗布試料と粉末液卵黄塗布試料の色相が相似していたことから, クッキーを焼成する際のドリュールとしては, 粉末液卵黄が液全卵の代用になることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では, 液卵の代わりに粉末卵を使用し, ドリュール様の物理化学特性を有する配合割合を明らかにするために, 水, 液全卵, 液卵黄, 粉末全卵, 粉末卵黄を用いて調製したドリュールをクッキー生地に塗布し, 焼成試料における品質 (表面色, 形状, 硬さ, 水分活性)を評価することを目的とした.本年度は,測色色差計(カラーリーダー CR-20, コニカミノルタ株式会社)を用い, 室温にて試料表面の色相としてL*値(明度), a*値(赤み度), b*値(黄み度)を測定した.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では, 液卵の代わりに粉末卵を使用し, ドリュール様の物理化学特性を有する配合割合を明らかにするために, 水, 液全卵, 液卵黄, 粉末全卵, 粉末卵黄を用いて調製したドリュールをクッキー生地に塗布し, 焼成試料における品質 (表面色, 形状, 硬さ, 水分活性)を評価することを目的とした. 本研究を通して, 液全卵, 液卵黄, 粉末全卵, 粉末卵黄の4種のドリュールを生地表面に塗布し, クッキーを焼成することで, 色相において, 粉末卵が液卵に代わってドリュールとして利用可能であることが明らかになった. 今後は,硬さ,水分活性などの品質項目を実験的に明らかにする.
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Causes of Carryover |
本年度研究の進捗状況がおおむね良好だったことと他業務との関わりで,本年度末に行う予定だった実験の一部を次年度に回すこととした。
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Research Products
(1 results)