2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel processing method for pH-neutral food by temporal acidification with pressurized dissolving of carbon dioxide
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17K00818
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
野間 誠司 佐賀大学, 農学部, 准教授 (40392071)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 二酸化炭素 / ペクチン / 魚醤 |
Outline of Annual Research Achievements |
食品の酸性化は、殺菌や酵素失活処理の容易化、抽出・加工特性の改良等の利点をもたらす。そこで、二酸化炭素の溶解を利用した一時的な酸性化を基盤とし、「温州ミカン果皮からのペクチンの抽出」、「減塩イワシ魚醤の製造」の検討を行った。 <ペクチンの抽出>新鮮な温州ミカンとそれを成熟させたものから、加圧二酸化炭素処理(1, 2, 3 MPa)、塩酸 (pH 1.5)、2%ヘキサメタリン酸ナトリウム (pH 2.5) によってペクチンを抽出した。いずれも90℃、90分間処理とした。その結果、加圧二酸化炭素処理の収率は塩酸やヘキサメタリン酸ナトリウムに及ばなかった。しかし、メトキシル度や分子量が大きく、異なる糖組成を有するペクチン分子を抽出できることが明らかとなった。 <減塩イワシ魚醤の製造>イワシを原料とし、加圧二酸化炭素(1, 3, 5 MPa、30℃)下(塩濃度10%)と従来法(大気圧下、塩濃度10、15、20%)で6か月間魚醤を作製した。その結果、従来の大気圧下では腐敗防止に20%の塩濃度を要した。しかし、3, 5 MPaの二酸化炭素下では塩濃度を10%に低下させても腐敗がなく、5 MPaでは酸化も抑制された官能的にも優れた魚醤を作製可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由 ペクチンの抽出、魚醤の作製ともに、成果を論文にまとめている最中であり、今年度中の受理が可能であると見込んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
細菌胞子制御・・・Bacillus subtilis胞子について成果を出してきたが、より耐熱性の高い細菌、嫌気性細菌の殺菌にも本技術の適用を試みる。 ペクチンの抽出・・・試料を野菜くず等にも拡大する。 減塩魚醤の製造・・・二酸化炭素圧力の低減を試みる。
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