2019 Fiscal Year Annual Research Report
Functional Properties of Resistant Starches
Project/Area Number |
17K00820
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
松本 健司 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (60288701)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | レジスタントスターチ / 加熱加工 / 動物実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに実施した研究内容の中で、レジスタントスターチ(RS)を添加した冷凍うどんの機能性に関しての結果をまとめ論文として発表した(Starch 71, 1900042, 2019)。また、昨年度までの実験において、パンケーキにRSを添加した場合、RSの特徴である「腸内細菌による短鎖脂肪酸への変換」について結果が得られなかったため、再度高脂肪食誘導型マウス肥満モデルにて確認したところ、腸内細菌による短鎖脂肪酸への変換については昨年度と同様に確認できなかった。この結果を踏まえ、加熱によってRSが腸内細菌に利用されなくなるかを明らかにするために、RS含量が高いWX/AE米を利用して実験を行った。WX/AE玄米を焙煎機にて180℃、10分間焙煎したものを9週間マウスに摂取させたところ(飼料中のRS含量1.8%)、盲腸内の酪酸が有意に増加した。これまでのうどん、パンケーキ、WX/AE米の結果をまとめると、うどんおよびWX/AE米加工の場合、加熱してもRSの特徴である腸内細菌による短鎖脂肪酸への変換は見られ、パンケーキのみ見られないという結果であった。パンケーキのみ卵や牛乳が添加され加熱加工されていることを考えると、昨年度推察した通り、タンパク質が一定量存在時にRSを加熱加工すると、RSは腸内細菌によって利用できなくなると考えられる。 水溶性の難消化性糖質の比較研究の結果から得られた「難消化性グルカンが腸管IgA分泌を促進する」という新規知見に関して引き続き研究を行った。重合度の違いで難消化性グルカンを分画し、マウスに投与したところ、重合度が高い分画が活性成分であることが明らかになった。また、難消化性グルカンの作用を他の腸管IgA誘導性糖質と比較したところ、難消化性グルカンが特に高い腸管IgA誘導能を示すことがわかった。これらの結果を日本応用糖質科学会大会にて発表した。
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Research Products
(2 results)