2019 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of components of orally administered Pyropia spp. extract and elucidation of the mechanisms underlying its insulin-like effects
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17K00825
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
友寄 博子 熊本県立大学, 環境共生学部, 准教授 (10347700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 剛 崇城大学, 薬学部, 教授 (80295138)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 海苔 / 海藻 / 糖尿病 / インスリン / 機能性食品 / 実験動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究全体の目的の一つである品質差による栄養素や活性成分の違いについては、昨年度までに研究で明らかにした。そこで、本年度はもう一つの目的である作用成分の同定を進めた。これまでの研究により品質の低い海苔の方が、インスリン様作用を示す成分を多く含むことが明らかになった。このことから、入札で廃棄処分される品質の海苔を使い、活性成分の精製を進めた。方法は、これまでと同じ方法で調製した分子量1000未満の低分子画分を試料として、ゲル濾過クロマトグラフィーにつづいてODSカラムで精製を進めた。ここで得られた活性画分についてNMR解析を行った。さらに、精製作業の効率化を進めるために、最終精製画分を用いて、吸光スペクトルを測定し、目的成分の検出吸光度を検討した。本研究で得られた結果から、活性成分は分子量1000未満のうち比較的高分子の成分であること、ゲル濾過で溶出する活性成分は373 nmで得られたピークと一致すること、ODSカラムでは極性の高い範囲で溶出するため、水に易溶なことが活性成分の情報として得られた。現在健康機能性を表示した食品は、その作用機序を明らかにすることも重要であるが、活性成分の同定ならびに定量法を確立することも必須である。つまりどのような成分がどの程度含まれているか明記する必要がある。本年度までの研究では、活性成分の同定までは至らなかったが、定量の指標となる吸光度の値を明らかにすることができた。今後、NMR解析結果と活性成分の性質から、明確な成分同定を行い、機能性食品として利用可能な情報を得ていきたいと考えている。
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