2017 Fiscal Year Research-status Report
被災生活のQOL向上に資するアレルギー対応食品の開発
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17K00827
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
藤井 恵子 日本女子大学, 家政学部, 准教授 (20186480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海老澤 元宏 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), アレルギー性疾患研究部, 部長 (30338876)
林 典子 湘北短期大学, その他部局等, 専任講師 (30775870)
藤井 智幸 東北大学, 農学研究科, 教授 (40228953)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 雑穀 / パフ / アレルギー対応食品 / アマランサス / はと麦 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】雑穀は食物繊維やミネラルを豊富に含み、その栄養学的価値が見直されてきている。しかし、米と比べて食味が劣るため、一部の地域を除いてはそれほど消費されていないのが現状である。そこで、本研究では雑穀をパフ化させて、子供から高齢者まで手軽に食することのできる食味の良い雑穀パフを開発することを目的とした。さらに保存食、非常食への用途拡大も視野に入れ、雑穀パフの物性と保存性について検討した。 【方法】発芽玄米、はと麦、大麦、アマランサスの4種の雑穀を選び、膨化圧力を0.7MPaと0.9MPaに設定し、試料を膨化させた。雑穀パフについては色度、水分含量を測定した。破断特性は一粒法を用い、圧縮速度を 0.05、0.1、1.0、10mm/sの4段階に設定し、99%圧縮させて破断特性値を求めた。併せて雑穀パフを相対湿度6~94%の8段階に調湿した容器の中で5~12日間保存し、水分収着特性を調べた。 【結果及び考察】雑穀パフの水分含量は、生と比較してアマランサス、大麦で低下したが、発芽玄米、はと麦では増加した。破断特性に及ぼす膨化圧力の影響をみたところ、発芽玄米、はと麦、大麦は、膨化圧力が高くなるに従い破断応力は低下した。圧縮速度の影響については、いずれの試料も破断ひずみは圧縮速度が速くなるに従って高値を示したが、破断応力については粒径の小さいアマランサスは最も速い10mm/s、粒径の大きいはと麦は最も遅い0.05mm/sの時に破断点が認められなかった。また、0.9MPaで膨化させたはと麦、玄米のパフは水分含量が約8%以上になると、破断点が見られなくなった。これらの結果より、雑穀パフの破断特性値は圧縮速度によって挙動が異なり、パフの物性を測定する際には、パフの特徴を考慮に入れた測定条件を選ぶ必要があることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4種の雑穀を用いてパフ化させる条件を確立させることができた。また、雑穀パフの物性の測定条件を検討し、雑穀パフの破断特性値は圧縮速度によって挙動が異なり、パフの物性を測定する際には、パフの特徴を考慮に入れた測定条件を選ぶ必要があることが示された。現在、温度、相対湿度の異なる条件下で、各種雑穀パフを保存し、水分収着特性を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
雑穀パフの測定条件が明らかになったので、保存食としての可能性を検討するため、温度、湿度を変化させて各種雑穀パフを保存し、水分収着特性と物性の評価を行う。 併せて、ガラス転移温度を測定し、状態の観察を行う。
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Causes of Carryover |
(理由)研究に必要な試薬については、ストックを有しているものがあり、研究開始にあたってはまずそちらの方から使用したため、予定より安く済ませることができた。
(使用計画)研究室のストックはほぼなくなったため、今後は研究遂行に伴い試薬を新規購入する予定である。
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