2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research for constructing dementia-preventive diet model by incorporating crude drugs used in Kampo
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17K00839
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
天倉 吉章 松山大学, 薬学部, 教授 (50321857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 美子 松山大学, 薬学部, 教授 (20219108)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 食生活 / 生薬 / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度のin vivo実験でサンショウに有用な効果がみられたことから,サンショウエキスの高濃度投与群を設定し追試験を行った.サンショウエキス1000 mg/kg/day又は2000 mg/kg/day投与群をそれぞれサンショウ-1群,サンショウ-2群とした.エキスを1日1回経口投与し,8日目の経口投与後,MK-801を腹腔内投与し一過性健忘症モデルマウスを作製した.行動解析はY字型迷路を用いた.その結果,交替行動率及び総移動距離は,MK-801投与群で対照群と比較して有意に変化していたが,有意な改善効果は認められなかった.しかし,サンショウ-1群には総移動距離の抑制傾向がみられた.MK-801投与の病態モデルでは効果がみられないサンプルもあったことから,リポ多糖(LPS)を腹腔内投与することで炎症を誘発するモデルを作製し,各サンプルの評価を行った.一昨年度選出されたサンショウ,ケイシ,シテイ,ヒシノミ,モッカの各エキスを1日1回7日間経口投与し,投与6日目にLPSを腹腔内投与し8日目に行動解析と解剖を行った.総移動距離はLPS投与群で対照群と比較して有意に低下していたが,いずれのサンプル投与群でも有意な改善効果は認められなかった.一方で,シテイ群とヒシノミ群には総移動距離の抑制を改善する傾向がみられた.解剖により脳組織を摘出し,免疫組織化学染色法により海馬領域のミクログリアについて解析したところ,LPS投与によって有意に増加していたミクログリア数は,ヒシノミ投与群では有意に抑制されていた.このことからヒシノミには,脳内における炎症反応を抑制する効果がある可能性が示唆された.また,昨年度の結果から認知症予防献立作成のための食材として選出したサンショウについて,調理レシピの検討を行った結果,丼もの,パスタ,パウンドケーキ,ハンバーグ,チョコなどの14献立を提案することができた.
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