2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on elucidation of pathophysiology of cardiac cachexia from the viewpoint of energy metabolism and new nutritional therapy
Project/Area Number |
17K00853
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
佐々木 雅也 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (40242979)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 心不全 / エネルギー消費量 / 炎症性サイトカイン / グレリン / レプチン |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的:心不全では、栄養不良は生命予後を規定する因子となる。そこで本研究では、心不全患者の栄養代謝病態について、心不全の重症度と炎症性サイトカイン、エネルギー代謝、さらにグレリンやレプチンなど食欲調節ホルモンとの関連について検討した。 方法:50例の心不全患者を対象とした。入院時の栄養状態を、栄養スクリーニング手法や血液生化学検査にて評価し、心不全の重症度との関連を検討した。また炎症性サイトカインであるTNF-αやIL-6の血清レベルを測定し、心不全の程度との関連を解析した。エネルギー代謝については、間接熱量測定により安静時エネルギー消費量を実測し、心不全の重症度や炎症性サイトカインとの関連についても検討した。さらに、安静時エネルギー消費量とグレリン、レプチンの食欲調節ホルモンとの関連についても解析した。 結果:血清brain natriuretic peptide (BNP)と栄養指標については有意な関連が認められ、心不全の悪化にともない栄養状態が悪化していることが確認された。また炎症性サイトカインはBNP値と有意に正の相関を示した。一方、安静時エネルギー消費量は心不全の重症度と関連しなかったが、レプチンと安静時エネルギー消費量との間には関連が認められた。 結論:心不全患者は重症度が増すほど栄養状態が悪化し、それには炎症性サイトカインの関与が示唆された。したがって、心不全患者では、早期からの栄養介入により栄養状態の悪化を防止することが重要であると確認された。
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Research Products
(2 results)