2019 Fiscal Year Annual Research Report
Control of obesity and inflammatory bowel disease by polyunsaturated fatty acid adjusted diet
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17K00856
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
徳田 信子 獨協医科大学, 医学部, 教授 (70227578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和田 祐二 東北大学, 医学系研究科, 教授 (20292211)
山本 由似 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (80635087)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脂肪酸 / 炎症 / 腸炎 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.脂肪酸が肥満と腸炎に与える影響:飽和脂肪酸に親和性が高い因子を欠損したマウス(以下KOマウスとする)とWTマウスを用い、比較を行った。寿命と消化器系の組織像に有意の差がないことはあらかじめ確認した。(1)10週齢までの成長を観察したところ、KOマウスの方が、体重増加のスピードが早い傾向が見られた。(2)KOマウスとWTマウスの糞便を採取し、糞便中の腸内細菌叢を、次世代シークエンサーを用いて解析した。門のレベルでは大きな差異は見られなかった。(3)WTマウスとKOマウスの飲水量に差異がないことを確認した上で、デキストラン硫酸ナトリウム含有水の自由飲水により、常法通り腸炎の誘発を行った。KOマウスの方が腸炎の増悪のスピードが速く、エンドポイントにおける炎症像も激しかった。(尚、エンドポイントについては、動物福祉に配慮し、常法より早い時点に設定した。)(投稿準備中) 2.脂肪酸が細胞死に与える影響:培養細胞に低酸素や低栄養ストレスを暴露させ、細胞死に与える脂肪酸の影響を検討した。不飽和脂肪酸に親和性が高いFABP7が、細胞死に対して保護的な役割を担っていることを明らかにした。また、その保護作用は、細胞内の脂肪滴の形成と関連していることを示した(Mol Neurobiol, 56, 2019)。また、FABP7の炎症制御への作用について、動物モデルを用いて示した(Neurosci, 409, 2019)。 3.腸内細菌叢の解析の応用:腸内細菌が産生に関わるフェニル硫酸が疾患の原因物質の1つであることを明らかにし、腸内細菌が持つ酵素が新たな治療法開発のターゲットとなり得ることを示した(Nat Commun,10, 2019)。
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