2018 Fiscal Year Research-status Report
新生児の食物アレルギーにおけるω3系脂肪酸摂取の働き
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17K00888
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
原馬 明子 麻布大学, 生命・環境科学部, 特任准教授 (80727917)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ω3系脂肪酸 / 食物アレルギー / 小児栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,乳幼児期のω3系脂肪酸の有無による免疫獲得への影響を食物アレルギー反応を指標に検討することを目的としている. 本年度は,昨年度に作製したω3系脂肪酸欠乏,または正常飼料で継代して得た雌性マウスを交配し,2世代目以降の母獣飼育条件下の雄性新生仔を用いて食物アレルギーの評価を実施した. 1. 離乳前の新生仔を用いたアレルギー評価の報告が少ないため,成獣の報告を参考に,実験方法を作製し,予備実験を実施した. 今回の試験には,食物アレルゲンとして卵白アルブミン(OVA)を,アジュバントとして水酸化アルミニウムを使用し,感作やチャレンジ時の投与濃度や投与時期を検討した. 2. 予備試験より得られた情報から,本試験の評価を実施した. 授乳期間中の新生仔,2と3週齢時に2回OVAを腹腔内投与により感作し(OVA 50μg/Al(OH)3150μg/100μL),離乳後4週齢時にOVAを経口投与によりチャレンジして(30μg/200μL),投与後60分間の糞便やマウスの行動を観察した.チャレンジは各日で4回実施し,チャレンジ最終日は観察後に採血と盲腸上部側の回腸約5cmを採取して,血液抗体の測定と腸管の病理解析を実施した. 糞便の状態は5段階にしてスコア化した(0: 異常なし~4: 糞便の形状が維持できないくらい水分を含んでいる).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
乳幼児期の動物を用いたアレルギー評価の報告は少なく,成獣の報告を基本として,予備試験を重ねたため. 特に,アレルギー感作時のアレルゲン濃度やアジュバント濃度,チャレンジ時のアレルゲン濃度を確定するのに時間を要した.
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Strategy for Future Research Activity |
出生2日齢の雄性新生仔を人工乳で人工哺乳し,母乳免疫の影響をほとんど受けない状態での乳幼児期の免疫獲得の影響について検討する. また,免疫獲得にω3系脂肪酸の影響も評価するため,母獣はω3系脂肪酸欠乏または正常の特殊精製飼料で飼育,継代したものを,人工乳はω3系脂肪酸欠乏または正常乳を作製し与える.食物アレルギーの評価方法は,30年度に確立した乳幼児期に適した卵白アルブミン,アジュバント濃度で実施する.
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Causes of Carryover |
投与濃度等の予備検討が長引き,本試験の実施が遅れたため.また,外注している実験備品の納期が遅れたため. 遅れている実験を遂行し,実験備品を外注している業者と打ち合わせをする.
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