2017 Fiscal Year Research-status Report
detection of cyclic peptide from human blood after oral ingestion of protein hydrolysate
Project/Area Number |
17K00906
|
Research Institution | Tokyo Kasei Junior College |
Principal Investigator |
重村 泰毅 東京家政大学短期大学部, 短期大学部, 准教授 (20373178)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ペプチド / ヒドロキシプロリン / コラーゲン / エラスチン / 線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の初年度は、コラーゲン加水分解物摂取後のヒト血液からの環状ペプチド検出を試みることを目的として計画していた。次年度以降は、エラスチン加水分解物摂取後のヒト血液からの環状ペプチド検出を試み、さらに検出した環状ペプチドについて、皮膚線維芽細胞を用いて細胞増殖への影響等の生理活性についても調べる事を目的としている。 実際に初年度に実施した研究はコラーゲンペプチド摂取後に採血を行い、その血液中の環状ペプチドの検出と定量を試みた。その結果、環状Pro-Hypを検出することに成功した。これまでにコラーゲン加水分解物摂取後には十数種類のペプチドが検出されており、Pro-Hypはその中でも主要な成分であるが、これらペプチドはいずれも鎖状型のペプチドであった。内因性の環状ペプチドなどを除き、食事由来環状ペプチドをヒト血中で同定したのは今回の研究が初めてである。今回の試験では、同一被験者血中の鎖状と環状Pro-Hyp濃度も測定しており、環状型は鎖状型の数%であることも明らかとなった。また、血中の環状Pro-Hypの最大濃度には、被験者間で個人差が見られた。これは、被験者間で長鎖ペプチドから短鎖ペプチドへの消化酵素活性や、鎖状ペプチドから環状ペプチドへの変化に関わる酵素活性の個人差が影響しているのではないかと推測された。鎖状のPro-Hypには皮膚線維芽細胞、軟骨細胞、滑膜細胞において生理活性を示すことが報告されており、まだ明らかになっていない環状型にも同様の作用が期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の進捗状況は、順調に進展している。その理由としては申請時の計画通り、初年度に採血試験から血液分析試験を実施できておいるためである。さらには、コラーゲン加水分解物摂取後に環状Pro-Hypの存在と増加を確認できており、申請内容の計画通りに研究が遂行され、成果が得られている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究計画の次年度以降は、エラスチン加水分解物摂取後のヒト血液からの環状ペプチド検出を試み、さらに検出した環状ペプチドについて、皮膚線維芽細胞を用いて細胞増殖への影響等の生理活性についても調べる事を目的としている。当初の申請計画通り、次年度もヒト採血試験を実行し、エラスチン加水分解物摂取後の環状ペプチドの探索を行宇予定である。初年度の研究経験と実績などから、次年度も研究の進展は順調に進むことが予想される。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、年度末実施予定の実験が時期的に遅れてしまい、次年度に行う事になったため。使用計画としては、同額を次年度に使途予定である。
|
Research Products
(5 results)