2017 Fiscal Year Research-status Report
食品の抗酸化能寄与成分の分析法であるオンラインHPLC-ORAC法の開発
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17K00910
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
竹林 純 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 食品保健機能研究部, 食品分析研究室長 (30421837)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ORAC / 高速液体クロマトグラフ(HPLC) / 抗酸化能 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗酸化能測定法であるOxygen Radical Absorbance Capacity(ORAC)法を高速液体クロマトグラフ(HPLC)法と組み合わせることで、食品に含まれる既知及び未知の抗酸化物質を網羅的に解析可能なオンラインHPLC-ORAC法の確立を目指して検討を行った。 3年計画の1年目である本年度は、食品中に含まれる代表的な抗酸化物質である、アスコルビン酸(ビタミンC)、α-トコフェロール(ビタミンE)、カテキン、没食子酸、カフェ酸、クロロゲン酸の標準品を混合したものを検体(抗酸化物質標準品混合液)とし、これらが良好に分離し、抗酸化能を分離して検出できるように分析条件の検討を行った。 蛍光色素であるFluorescein(FL)を含む移動相を逆相HPLCカラムに通液し、ポストカラムでラジカル発生試薬である2,2'-Azobis(2-methylpropionamidine) Dihydrochloride(AAPH)を含む反応液を導入することにより、移動相中のFLに由来する蛍光を減弱させた。ここに抗酸化物質標準品混合液を注入すると、各抗酸化物質に対応した保持時間に6個の蛍光のピークが検出された。ドーズレスポンスについて検討し、高感度かつより広いダイナミックレンジが得られるように分析条件(FL及びAAPHの濃度、移動相の有機溶媒含量、移動相及び反応液の流量、反応コイルの容積等)の最適化を行った。 次年度は研究計画に従って、単一試験室による妥当性確認試験を行い、構築したオンラインHPLC-ORAC法の性能を詳細に評価する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた通り、3年計画の1年目においてオンラインHPLC-ORAC法における基本的な分析条件設定が概ね完了したため。
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Strategy for Future Research Activity |
計画に従い、2年目は構築した分析方法の単一試験室による妥当性確認を行い、3年目(最終年度)に予定している実サンプル(野菜・果物抽出液)への応用に繋げたい。
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Causes of Carryover |
計画の想定通りに検討がスムーズに進んだ理由によるものであり、今後とも研究を推進して、次年度使用額は計画調書に記載した追加検討課題を行うために使用したい。
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