2020 Fiscal Year Annual Research Report
A Novel diet therapy for Parkinson Disease
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17K00911
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Research Institution | Osaka Toneyama Medical Center |
Principal Investigator |
佐古田 三郎 独立行政法人国立病院機構大阪刀根山医療センター(臨床研究部), 独立行政法人国立病院機構大阪刀根山医療センター, 名誉院長 (00178625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 卓行 独立行政法人国立病院機構大阪刀根山医療センター(臨床研究部), 独立行政法人国立病院機構大阪刀根山医療センター, 研究員(移行) (40573225)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 臨床栄養学 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)パーキンソン病の腸内細菌叢に関する研究 パーキンソン病の患者では、体重減少や脂質異常などの代謝障害が頻繁に発生する。我々は、小腸微生物叢の異常増殖の状態である小腸細菌異常増殖(SIBO)との関連をこれまで明らかにしてきた。本研究では、39人のパーキンソン病患者の血液データを使用してSIBOの存在の有無と生化学データとの関連を調査した。ラクツロース呼気検査でSIBOの有無を判定したところ、39人の患者のうち、19人はSIBO陽性、16人は陰性、4人は判定不能であった。SIBO陽性患者は、ドーパミン作動性薬物負荷(P = 0.009)が有意に低く、血清トリグリセリド(P = 0.024)および総ビリルビン(P = 0.019)レベルが有意に低かった。 SIBOの有無と運動症状または腹部症状との間に関係は見られなかった。この結果から次のような仮説が提唱される。①腸内細菌が減少するとビリルビン代謝が低下するため、血清ビリルビン値は高くなる。②同時に、腸内細菌の増加により胆汁酸が分解され、脂質吸収が低下する。③これにより、血清TGレベルが低くなり、体重が減少する。以上より、パーキンソン病の栄養障害や薬の吸収の問題など、運動症状以外の問題が腸内細菌叢異常によって引き起こされている可能性がある。 (2)パーキンソン病の新たな食事療法開発に向けた臨床試験 上記(1)の研究成果をもとに、抗菌作用があるとされるマヌカハニー、プロポリスを用いて腸内細菌を整える新たな食事療法の開発に向けた臨床試験を実施することとした。探索的研究として12名のパーキンソン病患者でランダム化比較試験を行なうプロトコルを作成し,患者2名のエントリー、およびデータ取得が終了した。
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