2018 Fiscal Year Research-status Report
介護予防のために、 維持すべき下肢筋力と食事パターンに関する研究
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17K00942
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
太田 淳子 神戸学院大学, 栄養学部, 講師 (50619062)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 下肢筋力 / 食事パターン / 高齢者 / 健康寿命 / 調理時動作 / QOL |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では下肢筋力を定量化と同時に食事調査を行い、介護予防につながるサルコペニアを早期に評価し対策するために、下肢筋力と食事パターンを中心とした食生活との関係について明らかにすることを目的としている。平成30年度は、骨粗鬆症外来患者200名程度に対し、下肢筋力の測定、食事調査、体力測定(歩行速度や握力)、体組成測定、QOL調査を行った。初年度の解析では、①歩行速度の予測能として、年齢とともに握力ではなく下肢筋力が抽出されたが、下肢筋力の低下は本人が気づく前に始まっており、下肢筋力を直接定量する意義が示唆された。②下肢筋力の低下はQOLの身体的側面だけではなく精神的側面の低下にも関係しており、心の健康やサクセスフルエイジングの実現に下肢筋力の低下は直接、食事パターンは下肢筋力の維持を介した間接的な関係が示唆された。③下肢筋力低下群では中食(惣菜など)の、下肢筋力維持群では内食(家庭内調理)の頻度増加が予測された。調理にはある程度の体力が必要であり、下肢筋力の低下による調理能力の低下がより下肢筋力の低下につながるという負のスパイラルが予測された。これらの結果をふまえ家庭での調理行動についての調査票を調査施設と協議し導入に向けた準備を行った。調査期間が2年目となったため、初回受診時と1年後の比較が可能となった。体重減少とパフォーマンス能力が正相関したが、食事パターンは野菜を中心とした食事であった。健康に良さそうというイメージについて報告されている文献もあるが、高齢者の偏った健康志向が負に働いている可能性も考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査施設との打ち合わせに時間を要した。調査を継続している項目については順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の方針でもあった経時的視点について興味深い結果が予測できたが、非常に短期間であるため今後も調査を継続する。パフォーマンス能力に関してはこれまでの測定項目に加えて動作解析を導入した。より詳細なデータの蓄積を続け多角的な分析を行う。
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Causes of Carryover |
調査施設との調整の遅れにより調査時期が遅れ次年度使用額が生じた。現在調査は継続しており、伴って種々費用が発生する。
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Research Products
(3 results)