2019 Fiscal Year Annual Research Report
Eye movement study of problem solving using physics tasks
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17K00955
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大野 栄三 北海道大学, 教育学研究院, 教授 (60271615)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 物理教育 / 力学 / 視線追跡 / 眼球運動 / 問題解決 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)FCI(Force Concept Inventory)解答中の視線を計測する実験で、主に文系大学生、高校生の参加者を対象として収集してきたデータを分析し直すとともに、理系大学生を参加者とした実験データを追加した。今年度は、学生がFCIを解答する際に、問題文のどのような語句や文章表現を注視していたのかを、heat mapとscan pathを使って解析した。問題文読解の難度が、視線の移動にどのように反映されるのかを検討した。インタビューから得られた情報と総合して、実験参加者の文化的背景や日常生活から離れた問題設定が問題文読解に影響を与えていたことが眼球運動にも現れているという結果が得られたと考えている。 (2)直線運動する複数のブロックの位置が一定の時間間隔で描かれている図を見て、ブロックの速度や加速度を比較するFCIの問題を使った実験で、文系大学生と比較するために理系大学生を参加者にした実験も、少人数ではあるが実施した。速度、加速度の概念について学生がどのように理解し、どのように問題文読解や問題解決に使っているのかについて、視線計測の実験結果からどれだけのことが言えるのか、さらに小学校から中学校にかけての時間、距離、速さの学習との関係について考察した。文系大学生の眼球運動から、解答開始後しばらくの間はブロックがスタート地点からどれだけ移動したか、2個のブロックの相互の位置関係はどうかに注意を払っていること、その後、正解した参加者は一定時間の間にブロックがどれだけ移動したかに注意を移していることがわかった。理系大学生の場合、参加人数は少ないが、解答開始後に文系大学生のような視線の移動は長く続かず、すぐに一定時間の間にブロックが移動した距離を考え始めていることを示す眼球運動へと移った。 (3)上述の成果を国内外の学会大会、研究会で報告した。
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Research Products
(3 results)