2019 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical study on the teaching and learning of explorative proving in function area of junior high school mathematics
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17K00979
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
岩田 耕司 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (90437541)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 中学校数学 / 関数 / 証明 / 説明 / 数学的モデル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,中学校数学科の領域「関数」における課題探究型の説明学習の学習水準の移行過程を実証的に明らかにすることである。研究3年次としての本年度は,中学校第3学年を対象に(1)学習水準の移行過程に基づき意図される学習活動を単元「二乗に比例する関数」において具現化すること,(2)授業実践を通して各授業化の成果と課題を明らかにすることを主な目的とし,研究を進めた。 (1)の目的に対しては,中学校第3学年における学習水準の移行過程((P2, C3)→(P3, C3))に基づき,水準の移行を図る教材および授業展開を検討した。その結果,比例および二乗に比例する関数を同時に扱うことができる「自動車の停止距離」を題材として用いる方が,水準の移行を意図する授業を具現化しやすいことや,授業の展開として,説明に必要な要素を比例を対象として確認する段階(C3)と,二乗に比例する関数を対象として(P2, C3)から(P3,C3)への移行を図る段階との2つの段階に分けて授業を構成する方がよいことなどが仮説的に明らかとなった。 (2)の目的に対しては,事前検討の結果を受けて開発した教材や授業展開をもとに授業を実施した結果,特に次の点が重要な課題として浮かび上がった。1)二乗に比例する関数を対象とした説明の構成については,関数判断の根拠の指導について更なる検討が必要であること。2)領域「関数」の学習における「説明」を,連続的,構造的な学びとして具現化するためには,説明の対象を「関数を活用して予測したり,解釈したりした結果の正当化」だけでなく,「関数の性質に関する命題やその正当化」を含む形で拡張する必要があること。 これらの結果を受け,中学校数学科の領域「関数」における説明を捉えるための枠組みを拡張し,連続的,構造的な学びとして再構成することが今後の重要な課題と考える。
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Research Products
(4 results)