2017 Fiscal Year Research-status Report
小学校におけるプログラミング教育のためのカリキュラムの開発
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17K00993
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology , Junior College |
Principal Investigator |
石塚 丈晴 福岡工業大学短期大学部, 情報メディア学科, 教授 (70293602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 龍也 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50247508)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | プログラミング / 小学校 / 情報科学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに収集・調査した英国の教科「Computing」の情報をもとに,小学校学習指導要領で示された、「プログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動」で修得するスキルに着目してカリキュラムの設計を行った。このカリキュラムに基づき、小学校低学年向けのプログラムと高学年向けの学習プログラムを設計した。 設計した学習プログラムの内、低学年向けプログラムを小学校1年生15名、2年生10名に対して平成29年8月に実施した。プログラムは共通した活動課題に対して、体験(アンプラグド)とプログラミングの両方を体験させることにより、コンピュータを使うことの利点を学ばせた。この実践については西日本新聞などでも取り上げられるなど反響が高かった。また、学会でも報告をしたところ、学習内容や配布資料に関する問い合わせが小学校からあり、資料の提供を行った。 平成29年10月に教科「Computing」が導入されてから4年目となる英国の小学校3校、教育委員会、企業などを訪問し調査を行った。今回訪問した小学校の内、2校英国内でも先進的に教科「Computing」に取り組んでいる学校で、使用されているハードウエアが以前から変わってきている点や、他の授業でのプログラミング体験学習が良い効果を上げている点などの情報を収集することができ、参考になった。また、もう1校は後進的な学校で、その原因や問題点、今後の展望などの聞き取り調査を行うことができ、先進的な2校と対比することができ、参考になった。また、教育委員会への訪問では、これまでの教材開発などに重点を置いていた対応から、教員研修の充実に重点を置き始めている様子が見られて、わが国での導入に対して参考となる情報を収集することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の計画で、実施できなかったものは、小学校高学年向けの試行実験のみである。これは、当初実施を予定してはいたものの、実施先との日程調整がつかなかったことが主な原因である。尚、この平成29年度に実施されなかった高学年向け試行実験については、平成30年7月に実施することが確定している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進については、当初の計画通り進めていくことを原則とする。ただし、以下の点については、平成29年度の研究成果を基に改善する。 平成29年度では、修得するスキルに着目してカリキュラムの設計を行った。しかし、この時設計されたカリキュラムは、プログラミングに対するスキルが中心であったため、評価項目を拡大したカリキュラムが必要ではないかとの認識に至り、定量的な評価方法の開発と共に、カリキュラムの修正を検討する。 また平成29年度に実施した低学年向けプログラムでは、評価検討の結果、改善すべき点が見受けられた。この改善点を取り入れた学習プログラムを平成30年の夏に実施する。これらの結果を基に、実際に小学校の授業での導入のため、小学校関係者との連携を進め、開発したカリキュラム及び学習プログラムの評価を行う。 これらの評価及び平成29年度に収集した英国での教科「Computing」の動向について、学会等での報告を行う。 加えて、平成29年度の実践に対して、小学校や教育委員会などからの情報提供の依頼があった。そのため、小学校での導入のための、研修体制の検討、また、インストラクターの育成やハードウエアの推奨モデルなどについても研究を行い、小学校現場への情報提供の内容や方法について検討を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、平成29年度に実施予定であった、小学校高学年向け学習プログラムの実証実験を平成30年度に実施することとなったため、そのための物品費の支出がなかったためである。 平成29年度実施しなかった実証実験を、次年度使用額(物品費)を使用して平成30年度に実施する。
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