2018 Fiscal Year Research-status Report
多様な障害を持った学生に対応した早期技術者教育における実験実習教材の開発
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17K00995
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Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
西村 亮 東京工業高等専門学校, 情報工学科, 講師 (80259829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 三男 東京工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (40197182)
大塚 友彦 東京工業高等専門学校, 電子工学科, 教授 (80262278)
清水 昭博 東京工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (90149914)
松井 義弘 東京工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (40300545) [Withdrawn]
大前 佑斗 東京工業高等専門学校, 電気工学科, 助教 (00781874)
一戸 隆久 東京工業高等専門学校, 電子工学科, 准教授 (40290720)
城石 英伸 東京工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (30413751)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 工学教育 / 障害学生支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度については,動画教材の開発を中心に研究を進めた. 機械工学分野については,実習方法の説明,実習上の安全教育に用いる映像を撮影した.また,赤外線サーモグラフィを導入し,鋳造,旋盤,仕上げの各実習中における工作物の温度を画像化して観察できるようにした.これにより,明らかに高温と認識される場面以外でも,工作物が周囲より高い温度になっている状況を説明しやすくなり,効果的な安全教育を行うことが可能となった.鋳造に用いる溶湯は赤外線サーモグラフィの測定範囲よりも高い温度となることから,放射温度計も導入して溶湯の温度を測定できるようにした.電子工学分野については,電磁力の実験において,実験の概要を説明し,実験時に観測することとなる現象を演示した動画教材を作成して利用した.この動画教材については,動画投稿サイトで公開している.事前に学生がスマートフォン等で閲覧できるようにし,事前学習を促している.情報工学分野については,音の波形と観測の実験において,ディジタル信号処理の概要を説明する動画教材を作成した.様々な条件でディジタル化した音声の波形を示し,音を聴けるようにしている.スライドショーに説明音声を加えて作成することにより,字幕をつけたものと同等の効果を見込んでいる.物質工学分野については,動画教材の作成のほか.色覚障害者向けAndroidスマートフォン用アプリの開発を行っている.このアプリは滴定における活用を目指したものである.着目した地点において,あらかじめ登録した当量点などの色と近い色を検出したときに画面上のマーカを表示したり,音を鳴らしたりすることによって,ユーザに当量点に達したことを知らせるものである. 上記の取り組みよって,聴覚及び視覚障害者への対応だけでなく,学習障害者への対応も進めることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度については,全実験テーマについて動画教材の開発,スマートフォン利用教材の開発,実施方法の改善及びハードウェア整備を行う計画であった.動画教材の開発においては,一部の実験テーマにおいて予習及び実験中の教材として利用できるようにした.利用が一部にとどまることから,これについては当初の計画よりやや遅れている. スマートフォン利用教材については,色を認識することが重要となる物質工学分野で開発が進んでいる.他分野における開発が進んでいないが,色覚障害者への対応の優先度の違いもあり,やや遅れている程度であると考える. ハードウェア整備については機械工学分野において赤外線サーモグラフィを,情報工学分野において主として使用する演習室に大型のディスプレイを導入した.前者は実験上の安全教育に活用され,後者は全受講学生に対して実験環境の改善に資することとなり,おおむね順調である.また,動画教材の活用により,学習障害を有する学生にとっても実験の説明がわかりやすいものとなりつつある. 以上を総合して,現在の進捗状況は当初の計画よりやや遅れているものと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
動画教材及びスマートフォン利用教材の開発を継続して進める.その成果を「ものづくり基礎工学」で実施される実験にこれらを全面的に導入し,検証を行う.また,今年度から開講される「社会実装プロジェクト」において,これまで行ってきた教材開発をテーマとして組み込み,4年次の学生を参加させる.その過程で問題点とニーズの発見,教材開発,教材の検証を行わせ,障害者と健常者の共存の意義,ユニバーサルデザインの必要性を意識し,社会に向き合う力を持た学生を育成する教育方法を確立するための基盤を構築する.
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Causes of Carryover |
この次年度使用額は研究分担者に配分した直接経費の残額である.当経費は各分野における教材開発及び実験実施のために配分したものであるが,既存の物品を有効に活用することによって生じたものである. 次年度には「社会実装プロジェクト」の一環として,本研究課題が対象としている「ものづくり基礎工学」の教材開発をテーマとして組み込むこと計画しており,その経費及び関連する実験テーマ実行のための材料費として使用する予定である.
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Research Products
(8 results)