2018 Fiscal Year Research-status Report
数学・理科・情報の教科で使われている科学用語の共起ネットワーク分析
Project/Area Number |
17K01009
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
坂谷内 勝 国立教育政策研究所, 研究企画開発部教育研究情報推進室, 総括研究官 (70187053)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 科学教育 / 科学用語 / 共起ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本の数学、理科、情報(技術)の教科書の索引から科学用語を収集し、多種多様な分析をすることを目的としている。本年度は、以下のことが明らかになった。 現在と15年前の科学用語数を比較すると、すべての教科で科学用語数が増加している。増加した件数(増加率)は、数学5件(3%増)、理科122件(33%増)、技術80件(34%増)である。2011年の学習指導要領の改訂によって、履修時間の増加(数学は70時間、理科は95時間)、それに伴う教科書の質・量の充実が起因している。理科、技術の増加率と比較して、数学の増加率が小さいのが特徴である。 現在と15年前の科学用語を比較して、新出した科学用語と消失した科学用語を調査した。数学は、新出数と消失数はほぼ同じで少なく、既出の科学用語が多い(全体の76%)。理科は、既出(全体の51%)と新出の科学用語がほぼ同じで、消失数はその半分程度で少ない。技術は、新出した科学用語が多く、既出した科学用語(全体の24%)が少ないのが特徴である。数学は科学用語の入替えは少ないが、技術は科学用語の入替えが多いことが読み取れる。 今後の研究の展開として、科学用語と日常生活の関連性を調べるために、身の周りの読み物で使用されている科学用語の実態を分析すること、様々な日本語コンテンツ(日本語で書かれているテキスト)と科学用語の関連性を分析することなど、今回と同様な分析を試みて科学用語の実態と特徴を明らかにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
科学用語の共起ネットワークのノードとなる科学用語データを、日本の数学、理科、情報(技術)の教科書の索引から収集した。 次に、分析に使用する多種多様なテキストデータ(理科系読み物、文系読み物、科学雑誌、映画台本、新聞社説等)を準備した。 そして、科学用語データの基本統計処理を行ってから、様々なテキストデータに出現する科学用語の分析を行った。 さらに、科学用語の出現状況を可視化するために、科学用語の共起ネットワークを作成し、解析した結果、物理学関係、生物学関係、地学関係の科学用語がそれぞれ共起している様子が読み取れた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りに研究を推進する。 具体的には、今回の分析に使用した教科書は中学校の数学、理科、技術と家庭の各教科1社であるが、複数の教科書で分析することを試みる。また、高校の数学、理科(物理、化学、生物、地学)、情報の教科の分析も同様な方法で行う。 また、科学用語と日常生活の関連性を調べるために、身の周りの多種多様な読み物を用いて分析し科学用語の実態を明らかにすること、インターネット上の様々な日本語コンテンツ(日本語で書かれているテキスト)と科学用語同士の関連性を分析することなどを試みる。
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Causes of Carryover |
消耗品を購入しなかったため次年度使用額が生じた。次年度購入する予定である。
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Research Products
(2 results)